
リップルがアフリカ大手決済企業に出資 ステーブルコイン送金を拡大へ
リップルのフラッターウェーブ出資により、RLUSD、リップル・ペイメンツ、XRPレジャーがアフリカ最大級のフィンテック企業に導入される。ブロックチェーン送金が存在感を増すなか、アフリカの越境決済市場をめぐる攻防は一段と激しさを増している。

ブロックチェーン決済企業リップルが、アフリカのフィンテック大手フラッターウェーブの株式を取得した。世界でも有数の成長スピードを誇る越境決済市場へ、リップルがさらに深く踏み込む格好だ。
フラッターウェーブのオルグベンガ・アグブーラCEOは、今回の非公開出資により、同社の評価額は33億ドル、日本円にして約5291億円に達したと明らかにした。ブルームバーグが報じた。今回の取引により、リップルはアフリカで急拡大する決済エコシステムへの足場を得る。一方のフラッターウェーブは、金融インフラの拡張に向けた追加の資金力を手にすることになる。
ただし、今回の出資でリップルがフラッターウェーブを買収したわけではない。商業提携先というより、あくまで株主として加わる形だ。フラッターウェーブはアフリカ35カ国で事業を展開しており、近年はステーブルコイン決済サービスを統合するなど、デジタル資産分野にも手を広げている。
今回の取引の一環として、フラッターウェーブはリップルのステーブルコイン「RLUSD」、リップル・ペイメンツ、そしてXRPレジャーを統合する。狙いは明確だ。国境をまたぐ送金を、より速く、より安くすることである。

Source: Flutterwave
今回の出資は、リップルがアフリカ全域でブロックチェーン基盤の決済ネットワークを広げる戦略の最新の一手だ。アフリカでは、国際送金をより低コストかつ高速にしたいという需要が根強い。昨年10月には、リップルは南アフリカのアブサ銀行と提携し、機関投資家向けにデジタル資産のカストディサービスを提供している。
アフリカ送金市場で存在感を増すステーブルコイン
アフリカは、デジタル資産決済の重要な成長市場として浮上している。その背景にあるのが、巨額の送金フローと、安価な越境送金への強い需要だ。
チェイナリシスが2025年9月に公表したレポートによると、サブサハラ・アフリカにおける暗号資産の採用は12カ月で52%増加した。オンチェーン取引額は2050億ドル、日本円で約32兆8700億円を超えたという。当時、この地域は世界で3番目に急成長している暗号資産市場と位置づけられていた。

Onchain volumes in sub-Saharan Africa have surged since 2022. Source: Chainalysis
この成長の中心にいるのがステーブルコインだ。ドル建ての代替手段として機能することで、国際送金をより速く、より安くできる可能性がある。この商機を見逃さず、他の大手発行企業も動き出している。USDCを発行するサークルは最近、アフリカのフィンテック企業ササイと提携し、送金を中心にUSDCベースの決済サービスを地域全体へ広げようとしている。
世界銀行の推計では、サブサハラ・アフリカへ一般的な200ドル、約3万2000円の送金を行う場合、受取人側の手数料は13〜17ドル、約2100〜2700円にのぼる。これに対し、トロン上のUSDTを使った送金では最安で0.50ドル、約80円。イーサリアム上のUSDCを使った送金でも最安で2ドル、約320円程度に抑えられるという。
アフリカの送金市場では、いまや「銀行よりも速く、銀行よりも安い」インフラをめぐる争奪戦が始まっている。リップルのフラッターウェーブ出資は、その号砲のひとつと言っていい。

