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CointelegraphライターYohan Yu監修編集者

EUがバイナンスを締め出した結果、利用者資産は規制の外へ MiCAの消費者保護に大疑問

最新ニュース公開日2026年7月10日

ギリシャでMiCA申請を取り下げたバイナンスに、別の規制当局が新たな暗号資産ライセンス申請を打診している。共同CEOのリチャード・テン氏は「まだ初期段階」としながらも、欧州撤退どころか再挑戦の構えを見せる。一方で、EU利用者の資金流出の7割は認可業者ではなくセルフカストディへ向かったという。MiCAは本当に投資家を守れているのか――疑問が噴き出している。

世界最大級の暗号資産取引所バイナンスが、欧州連合(EU)の暗号資産市場規則「MiCA」をめぐるつまずきの後も、なお次の一手を探っている。

バイナンスの共同CEO、リチャード・テン氏によれば、同社はギリシャでのMiCA申請を取り下げた後、複数の規制当局から暗号資産ライセンスの申請を打診され、協議に入っているという。

テン氏は木曜日、シンガポールで開かれたロイター・ネクスト・アジア会議で、こうした協議について「まだ時期尚早だ」と述べ、具体的な国・地域名は明かさなかった。

MiCAは、EU域内の暗号資産企業に対して単一のライセンス枠組みを設ける制度だ。移行期間が7月1日に終了した後、欧州証券市場監督機構(ESMA)は、暗号資産企業がEUの顧客にサービスを提供するには、原則としてMiCA認可を受けた法人を通じる必要があるとした。ただし、顧客側から自発的に越境サービスを求めた場合など、限定的な例外は残されている。

バイナンスは6月24日、ギリシャでのMiCAライセンス申請を取り下げた。背景には、ギリシャ当局が同社の申請を却下する方針だとする報道が出ていた。

「われわれにとっては寝耳に水だった。完全に要件を満たした申請を提出していたからだ。規制当局も、われわれにそう説明していた」

テン氏はそう語った。

さらに同氏は、承認がなぜ遅れ続けたのかについて「われわれにもよく分からない」としたうえで、申請取り下げの理由をこう説明した。

「申請を取り下げなければ、ユーザーは非常に短い移行期間に直面することになっていた」

EU利用者の資金は「認可取引所」ではなくセルフカストディへ

テン氏は、欧州の多くの利用者が、資産をMiCA認可済みの取引所へ移すのではなく、自分で秘密鍵を管理するセルフカストディを選んだと指摘した。

「その後、EUのユーザーがわれわれのプラットフォームから引き出した資金のうち、70%はセルフホスト型ウォレットに移された。MiCA規制下の事業体に流れたのは30%にすぎない」

テン氏はこう述べた。

同氏は、MiCAが本来掲げる消費者保護の目的を本当に達成しているのかと疑問を呈した。セルフホスト型ウォレットは、認可を受けた取引所に比べて規制監督が及びにくいからだ。

コインテレグラフが確認したデフィラマのデータによると、バイナンスでは6月29日に始まる週に、12億3000万ドル、約1993億円の純流出が発生した。前週の約4億ドル、約648億円から207%増加した計算だ。

MiCA移行は、ライセンスを保有する取引所同士の競争も激化させている。OKXは声明で、センサータワーのデータを引用し、6月24日から7月5日の間に同社アプリのダウンロード数が158%増加したと明らかにした。

The transition has also intensified competition among exchanges holding MiCA licenses. OKX said in a statement that its app downloads rose 158% between June 24 and July 5, citing Sensor Tower data.

バイナンス、MiCAの実効性に疑問

欧州以外では、テン氏はバイナンスがアジアで規制対応の足場を広げ続けていると説明した。フィリピンでの提携もその一例だという。

「われわれはアジアの多くの場所で展開してきた。日本、韓国、タイ、インドネシア、オーストラリア。そしてフィリピンでの発表も行った。さらにいくつか控えている」

テン氏はそう述べた。

バイナンスは2024年に規制当局が同取引所へのアクセス制限に動いた後、ブロックショールズ・テクノロジーズとの提携を通じてフィリピン市場に再参入した。

ただし、バイナンスもブロックショールズも、ペソ送金や中央銀行の規制対象となるその他の暗号資産関連サービスを扱うためのライセンスを、フィリピン中央銀行であるバンコ・セントラル・ン・ピリピナスから取得しているわけではない。

ブロックショールズの法務責任者マリー・アントネット・キオーグ氏は、6月のコインテレグラフのインタビューで、この提携によりバイナンスは暗号資産取引を提供できると説明した。これらの取引活動はフィリピン証券取引委員会の管轄に入るためだという。

一方で、中央銀行の規制対象となるサービスを提供するには、別途認可が必要になる。

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