
レイン、米国信託銀行の設立を申請 暗号資産企業の銀行認可取得が相次ぐ
ステーブルコイン決済インフラ企業レインが、ニューヨークを拠点とする国法信託銀行「レイン・ナショナル・トラスト・バンク」の設立を米通貨監督庁(OCC)に申請した。暗号資産・決済企業による銀行認可取得の動きが相次いでいる。

ステーブルコイン決済インフラを手がけるレインは、ニューヨークを拠点とする国法信託銀行の設立を申請した。暗号資産企業が銀行認可を求める動きが、この1年で相次いでいる。
レインは月曜日、米通貨監督庁(OCC)に「レイン・ナショナル・トラスト・バンク」の設立を申請したと発表した。
認可されれば、同行は機関投資家向けにデジタル資産と米ドルの受託カストディを提供できるほか、認可されたステーブルコイン発行者向けの準備資産管理も手がけられる。また、GENIUS法に基づき、米ドル連動型ステーブルコインの発行・償還も可能になる。
新銀行の社長兼CEOには、スクエア・フィナンシャル・サービシズの元最高財務責任者(CFO)ブランドン・ソト氏が就任する予定だ。ただし、OCCによる審査を経る必要がある。
レインのCEO兼共同創業者ファルーク・マリク氏は、「レイン上に構築されている金融機関は、自社のプログラムを支える資産を、連邦規制当局の監督を受ける受託者に預けたいと考えている」と述べた。
レインは、国法信託銀行の認可取得を目指す暗号資産・決済企業の新たな一社となった。
決済インフラ企業モダン・トレジャリーも月曜日、デジタル資産のカストディや関連する法定通貨サービスを提供するため、認可を求める申請を提出したと発表している。
地方銀行が暗号資産企業の信託銀行認可をめぐりOCCを提訴
一方、こうした動きには地方銀行からの反発も出ている。
米独立系コミュニティ銀行協会(ICBA)は金曜日、OCCが非預金受入型の信託銀行に幅広い非受託業務を認めることで権限を逸脱していると主張し、OCCを提訴した。
訴訟は、OCCと通貨監督官(Comptroller)ジョナサン・グールド氏を相手取り、米コロンビア特別区連邦地方裁判所に起こされた。
ICBAは、OCCが制定した「国法銀行認可に関する最終規則」と、2021年の解釈書1176号について、「非常にリスクの高い暗号資産・デジタル資産関連活動を行う事業者が、より厳格に規制される従来型の銀行認可ではなく、規制の緩やかな国法認可の下で銀行システムに参入することを、逆説的に認めている」と主張した。
ICBAによると、この枠組みでは暗号資産信託銀行がコミュニティ銀行と重なるサービスを提供できる一方、同じ規制上の義務を負わないため、競争上の優位性を得ることになるという。
また、消費者が「国法銀行」という名称を、資産が連邦政府によって保険で保護されていることを意味するものと誤認する可能性もあると主張した。
ICBAは裁判所に対し、2026年3月のOCCの銀行認可規則と2021年の解釈書を無効にするとともに、これらを根拠とする今後の認可を差し止めるよう求めている。
これに対し、暗号資産業界のロビー団体クリプト・カウンシル・フォー・イノベーション(CCI)は月曜日、この訴訟について「イノベーションを阻害しようとする試み」だと批判した。
ICBAの訴状によると、OCCはこれまでに少なくとも21行の信託銀行を承認、または条件付きで承認しており、そのうち少なくとも13社が暗号資産企業だという。

