
住宅ローン記録10億ドル超をブロックチェーンに移行 インジェクティブで不動産RWA加速
カナダの住宅ローン企業パイナップル・フィナンシャルは、10億ドル超の住宅ローン記録をインジェクティブ上に移行した。将来的には、1兆5000億円規模の住宅ローン記録をオンチェーン化する計画だ。

カナダの住宅ローン企業パイナップル・フィナンシャルが、10億ドル超、日本円にして約1534億円分の住宅ローン記録を、金融アプリケーション向けレイヤー1ブロックチェーンであるインジェクティブ上に移行した。過去の融資ポートフォリオをオンチェーン化する取り組みの一環だ。
インジェクティブが金曜日に明らかにしたところによると、パイナップルは最終的に、2万9000件超、総額100億ドル超、日本円で約1兆5340億円規模の実行済み住宅ローンを同ネットワーク上に移行する計画だという。
ただし、これは住宅ローンを新たな住宅ローン証券として再包装するものではない。各住宅ローンは、元のローンファイルにひもづくオンチェーン記録として表現される。
記録には、ローン単位の情報を含む500以上のデータポイントが含まれている。検証、監査証跡、リスク分析を支えるための情報だ。パイナップルのダッシュボードによると、今回の移行対象は2079件の住宅ローン記録に達している。2025年12月の開始時点では1259件だった。
オンチェーン上の住宅ローン記録を追跡するPAPL0の資産時価総額は、約11億ドル、約1687億円に達している。トークン・ターミナルのデータによれば、過去9カ月で48.2%上昇した。ただし、これらのトークンが表すのは住宅ローン「記録」であり、裏付けとなるローンそのものの所有権ではない。

PAPL0 market cap on Injective. Source: Token Terminal
今回の住宅ローン移行は、パイナップルとインジェクティブの関係拡大の一部でもある。両社の取り組みには、別枠で1億ドル、約153億円規模のインジェクティブ(INJ)デジタル資産トレジャリーも含まれる。パイナップルはこのトレジャリーのINJをステーキングしており、クラーケンが主要バリデーターを務めている。
不動産トークン化に熱
不動産は、従来は流動性が低いとされてきた資産をオンチェーンに持ち込む動きの中で、存在感を強めている。トークン化によって、不動産や投資持分は分割しやすくなり、移転やアクセスも容易になる。
6月には、エイペックス・グループがゴールドマン・サックス、アーカックス、LRCグループとともに、トークン化不動産ファンドに参加した。このファンドの持分は、ゴールドマン・サックスのデジタル資産プラットフォームを通じてデジタルトークンとして発行される。単に不動産データをオンチェーンに記録するだけでなく、投資家にファンド持分のブロックチェーン上の所有権を与える仕組みだ。
ドバイでも不動産トークン化の取り組みが広がっている。2月には、ドバイ土地局がパイロット事業の第2段階を開始した。すでに約500万ドル、約7億6700万円相当の不動産がトークン化され、取引はXRPレジャー上に記録されている。
もっとも、トークン化不動産は、実世界資産(RWA)市場全体から見ればまだ小さい。RWA.xyzが追跡するトークン化RWA全体の規模は388億ドル、約5兆9519億円に上る。一方、不動産セクターの分散価値は約2億2650万ドル、約347億円にとどまる。それでも過去30日間では11.7%増加しており、不動産のオンチェーン化は着実に熱を帯びている。

Tokenized real estate. Source: RWA.xyz

