
暗号資産業界200社超が米上院に圧力 規制明確化の「クラリティ法案」は成立するのか
暗号資産企業や関連団体など200以上の組織が、米上院に対し「クラリティ法案」を早期に可決するよう求めた。審議の停滞が続けば、重要な立法機会を逃しかねない――。そんな危機感が、業界側には広がっている。

米国の暗号資産業界が、いよいよしびれを切らした。
暗号資産企業や関連団体など200以上の組織が、米上院に対し「クラリティ法案」を早期に可決するよう求めた。審議の停滞が続けば、重要な立法機会を逃しかねない――。そんな危機感が、業界側には広がっている。
暗号資産ロビー団体「スタンド・ウィズ・クリプト」が月曜日に公開した書簡で、業界団体らは上院多数党院内総務のジョン・スーン氏と、少数党院内総務のチャック・シューマー氏に対し、「クラリティ法案を遅滞なく上院本会議に付す」よう求めた。
書簡では、同法案が先月、上院銀行委員会で可決されたことについて、「数カ月に及ぶ真剣な超党派の作業」の成果だと強調。その勢いを生かし、議員らに「持続的な市場構造法制を前進させる機会」を与えるべきだと訴えた。
クラリティ法案は、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)が、暗号資産をどのように規制するかの枠組みを示すものだ。だが、その中身をめぐって議員やロビイストの間で対立が続き、今年に入ってから上院で何度も足踏みしてきた。

Source: Stand With Crypto
争点の一つは、ステーブルコインの利回りだ。
銀行業界は、プラットフォームがステーブルコインに利回りを付けて提供することを禁じる条項を法案に盛り込むよう求めてきた。一方、暗号資産業界は、分散型暗号資産プラットフォームの開発者を保護する規定を入れるよう働きかけている。双方の主張がぶつかり合い、交渉は数カ月に及んでいる。
今回の書簡には、スタンド・ウィズ・クリプトのほか、ザ・デジタル・チェンバー、ブロックチェーン・アソシエーション、クリプト・カウンシル・フォー・イノベーションといったロビー団体が署名した。
書簡は、同法案が暗号資産関連の雇用、投資、市場活動を米国内にとどめ、米国を「デジタル資産イノベーションの世界的リーダー」に押し上げるものだと主張している。
「デジタル資産市場はグローバルであり、成長を続けており、金融インフラの未来の中核をなすものだ」
書簡はそうしたうえで、議会に突きつけられている問いは、その未来が「米国の法律、米国の監督、そして米国の価値観のもとで築かれるのか」、それとも「透明性が低く、消費者保護が弱く、説明責任も限定的な海外法域へ流出し続けるのか」だと訴えた。
もっとも、上院はいまだ、11月の中間選挙を前に同法案を本会議で審議する日程を組んでいない。このため、アナリストの間では、年内成立の見通しを引き下げる動きも出ている。
ギャラクシー・デジタルは金曜日、2026年中に同法案が成立する確率を、従来の75%から60%に引き下げた。同社は、上院が7月下旬の8月休会前に法案を通す必要があると指摘し、「その後は、実質的に窓が閉じる」とみている。
上院農業委員会と上院銀行委員会は、それぞれ商品法制と証券法制に関する法案案を可決している。だが、上院本会議で審議にかけるには、両案を一本化する必要がある。
さらに議員らは、法案が長時間の討論を回避して可決に必要な少なくとも60票の支持を得るには、倫理問題や違法金融対策に関する修正が必要だとも指摘している。
同法案の推進に取り組んできたシンシア・ルミス上院議員は水曜日、CNBCに対し、本会議で支持を失いかねない倫理問題や違法金融対策について、議員らが対応を進めていると述べた。
一方でギャラクシーは、法案やその交渉が進展したこと、あるいは問題となっている条項が解決されたことを示す情報は確認していないとしている。
暗号資産業界が待ち望む「明確なルール」は、米国に残るのか、それとも再び議会の廊下で宙づりになるのか。タイムリミットは、刻一刻と近づいている。

