
ステーブルコイン決済が一気に現実化、ミニペイがビザカード開始
ミニペイの1600万人ユーザーは、ビザのネットワークを通じてステーブルコインを決済に使えるようになる。新興市場で「デジタルドル」需要が広がるなか、暗号資産ウォレットは日常決済の領域へ踏み込み始めた。

オペラ傘下のステーブルコイン・ウォレット「ミニペイ」が、ステーブルコインで買い物ができるビザ・デビットカードを立ち上げた。対象となるのは、アフリカ、中南米、東南アジア、欧州の一部市場だ。
23日の発表によれば、このカードはグノーシス・ペイのインフラを使って提供される。利用者はミニペイのウォレットから直接支払いができ、加盟店側はビザのネットワークを通じて現地通貨で代金を受け取る仕組みだ。つまり、利用者の手元ではステーブルコイン、店側ではいつもの法定通貨というわけである。
ミニペイによると、同サービスは2023年の開始以来、65カ国でアクティベート済みウォレットが1600万件を超えた。利用の中心はアフリカなどの新興市場に集中している。
このカードはアップルペイやグーグルペイにも追加できる。一部市場の対象ユーザーには、ステーブルコインのUSDTやUSDC、さらにテザーゴールド建てのキャッシュバック特典も用意される。
ミニペイは、ウェブブラウザで知られるナスダック上場企業オペラが保有するステーブルコイン・ウォレットだ。セロ・ブロックチェーン上に構築されており、ドル連動型ステーブルコインを使った決済、送金、貯蓄に重点を置いている。
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新興市場で進むステーブルコイン利用
今回のカード投入は、ステーブルコインが新興市場で存在感を増している流れの中で起きた。
中南米では、暗号資産取引所ビッソの最近の報告書で、2025年にドル連動型ステーブルコインが、同取引所ユーザーの間で最も購入された暗号資産としてビットコインを上回ったことが明らかになった。USDCとUSDTを合わせると、購入全体の40%を占めたという。
企業利用も加速している。ビッソによれば、2026年上半期における機関投資家・法人顧客のステーブルコイン取引量は前年同期比で81%増加した。また、この期間に新たに加わった法人顧客のうち、銀行や認可済み決済事業者が60%超を占めた。

Bitso's "Stablecoin Landscape in Latin America report for the first half of 2026." Source: Bitso
アフリカもまた、決済や送金サービスの拡大を狙うステーブルコイン発行企業にとって、重要な成長市場となっている。
3月には、サークルがアフリカのフィンテック企業ササイと提携し、USDCを使った地域内の国際送金サービス拡大に乗り出した。この提携により、USDCはササイの既存決済インフラに組み込まれる。ササイのインフラは、国境を越えた送金、法人決済、消費者向けウォレットに対応している。
さらに先週には、リップルがアフリカ35カ国で事業を展開するフィンテック企業フラッターウェーブの株式を取得した。フラッターウェーブの評価額は33億ドル、約5340億円にのぼる。リップルは今後、RLUSDやその他のブロックチェーン決済ツールを同社のサービスに統合する計画だ。
ステーブルコイン決済の成長は、市場全体の拡大とも歩調を合わせている。デファイラマのデータによれば、流通するステーブルコインの総額は約3150億ドル、約51兆円に達した。1年前の約2500億ドル、約40兆円から大きく膨らんだ格好だ。
かつて「暗号資産の世界の中だけのドルもどき」と見られていたステーブルコインは、いまや銀行口座を持ちにくい地域、送金コストが高い地域、現地通貨の不安定さに悩む地域で、日常の決済手段としてじわじわと足場を固めている。ミニペイのビザカードは、その動きが単なる投機ではなく、実需の領域に入りつつあることを示す一手と言えそうだ。

