
EUの暗号資産ルール「MiCA」に新規12社 独の銀行も続々参入で認可数321社に
欧州証券市場監督局(ESMA)が7月31日、暗号資産市場規則「MiCA(ミカ)」の登録リストを更新した。ドイツの協同組合銀行やフランスのスタートアップなど12社が新たに名を連ね、認可済み事業者数はついに321社へ。その一方、イタリア当局に目をつけられた3社は「要注意リスト」入りという結果に――。

欧州証券市場監督局(ESMA、エスマ)は7月31日、暗号資産市場規則「MiCA(ミカ)」の登録リストを更新したと発表した。今年7月1日の移行期限以降では、実に4回目の更新となる。
今回の更新で、MiCAの下で認可された暗号資産サービスプロバイダー(CASP)の総数は321社に達した。地味な数字に見えるかもしれないが、わずか1カ月の間に4回も更新が重ねられているというのだから、EU当局の"本気度"がうかがえる。

Twelve CASPs added in ESMA’s July 31 MiCA register update. Source: ESMA
独の銀行が3行そろい踏み
今回新たにリスト入りしたのは、ドイツの協同組合銀行3行だ。
- フォルクスバンク・ライファイゼンバンク・オーバーバイエルン・ズュートオスト
- VRバンク・シュレースヴィヒ=ホルシュタイン・ミッテ
- VRバンク・ランダウ=メンコーフェン
いずれも地域に根ざした昔ながらの協同組合銀行だが、こうした"堅い"銀行までもが暗号資産ビジネスに正式参入するあたり、もはや暗号資産は一部の投機家だけのものではなくなりつつあるということだろう。
スペイン・フランス勢も存在感
ドイツ勢だけではない。スペインからは決済系の2社、バスク・ペイとフィンテック・ペイメンツが仲間入り。フランスからは資産管理アプリのフィナリー、暗号資産OTC(相対取引)大手のウォートン、そしてブロックチェーン・プロセス・セキュリティ、シェアーズ・ファイナンシャル・アセッツの4社が名を連ねた。
なお、ESMAが公開した資料によれば、今回の更新で追加されたCASPは全体で12社。国別の内訳がすべて明かされているわけではないが、ドイツ・スペイン・フランスの企業だけでも顔ぶれの多様さが見て取れる。
一方で3社が「ブラックリスト」入り
明るい話題ばかりではない。ESMAは同時に、MiCAに非準拠(法令違反)の事業者を載せる「非準拠エンティティ登録簿」にも3社を追加した。
その名も、チェルヴォ・レンディスコ、フランデンツォ、コロナ・フォンデンツァ。いずれもイタリアの証券取引委員会にあたるCONSOB(コンソブ、正式名称:Commissione Nazionale per le Società e la Borsa)が"要注意"として通報した企業だという。これで非準拠リストの登録数は合計167件に膨れ上がった。
認可企業が増える一方で、"ブラックリスト"の数も着実に積み上がっている――EUの暗号資産規制がいかに本腰を入れているかが伝わってくる展開だ。
電子マネートークンは横ばい、資産参照型トークンはゼロのまま
今回の更新では、CASP以外の登録簿に動きはなかった。電子マネートークン(EMT)の発行体として認可されている事業者数は、引き続き41社のまま。一方、資産参照型トークン(ART)の発行体については、現時点で登録されている事業者はゼロという状況が続いている。
MiCAが本格施行されてもなお、ART分野への参入企業がまったく現れていないというのは、なかなか興味深い"空白地帯"と言えるだろう。

