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Helen PartzライターRobert Lakin監修編集者

EU暗号資産規制「MiCA」で明暗 ドイツがライセンス最多、未認可業者は7月1日に崖っぷち

最新ニュース公開日2026年6月29日

EUの暗号資産規制「MiCA」をめぐり、認可済み企業はEU・EEA全体で244社に達した。7月1日の期限切れを目前に、先頭を走るのはドイツ。フランスとオランダも主要ハブに名乗りを上げ、欧州暗号資産市場の勢力図がいよいよ塗り替わろうとしている。

欧州連合(EU)の暗号資産規制「MiCA(暗号資産市場規則)」をめぐり、各加盟国と欧州経済領域(EEA)内でのライセンス付与に、早くも濃淡が出ている。7月1日から新制度が本格的に効力を持つなか、認可件数で先頭を走るのはドイツだ。

欧州証券市場監督機構(ESMA)の暫定登録データによれば、6月26日時点で、ドイツにはMiCA認可を受けた暗号資産サービス提供事業者(CASP)が57社ある。これは、発行済みライセンス244件の約23%にあたる。

これに続くのがフランスで、認可を受けた企業は26社。全体の約11%を占め、オランダと並んで、MiCAライセンスにおけるEU圏内第2のハブとなっている。

MiCAは本来、欧州全体で単一の暗号資産市場をつくることを目的とした規制である。だが、7月1日の移行期限を前にしても、その実装は各国の規制当局ごとにばらつきが残っているのが実情だ。

6月下旬の駆け込み認可ではフランスが先行

全体の認可件数ではドイツが首位に立つ一方、直近ではフランスが認可のペースを一気に上げている。土壇場の承認ラッシュで最も存在感を示したのがフランスだった。

ESMAの暫定データによれば、フランスは6月18日から22日にかけて、CASP認可を5件発行した。同期間では最多である。この期間にEUおよびEEAの各法域で発行された認可は計11件で、フランスに続いたマルタは2件だった。

MiCA CASP licenses issued during the period from June 18-25, 2026. Source: ESMA

フランスで認可を受けた事業者には、ビーピーフランス・インベスティスマン、アールキューブ・アセット・マネジメント、ペイミウム、レオノド、メリアなどが含まれる。

MiCAの認可がドイツ、フランス、オランダに集中している構図は、欧州金融システム全体の勢力図とも重なる。2024年のEUデータによれば、ドイツ、フランス、ルクセンブルク、オランダ、アイルランドの5カ国で、EU域内の金融法人が保有する金融資産・負債の約72%を占めていた

コインテレグラフはこの件について、ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)にコメントを求めたが、記事公開時点までに回答は得られなかった。

EU5カ国はいまだMiCAライセンス発行ゼロ

一方で、MiCAライセンスをまだ1件も発行していないEU加盟国もある。ESMAの暫定登録データによれば、6月26日時点で該当するのはギリシャ、ハンガリー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニアの5カ国だ。

なかでも目を引くのがギリシャである。バイナンスは同国で認可申請を行っていたが、のちに申請を取り下げた。その後、ライセンス取得計画を別のMiCA法域へ移す方向に転じた。

European jurisdictions ranked by the number of approved CASPs under MiCA as of Friday. Source: ESMA

ポーランドもまた、出遅れが目立つ国の一つだ。MiCA実装法制の整備が遅れたうえ、報道によれば大統領による拒否権行使が3度あった。EUの期限を迎える段階でも、同国には稼働中のライセンス制度がない状態となっている。

対照的に、ESMAの「非準拠CASP登録簿」ではイタリアの存在感が際立つ。6月26日時点で登録された162件のうち、実に160件をイタリアが占めていた。残る2件はオランダとスロバキアがそれぞれ1件ずつで、前者はMEXC、後者はLWEXに関連するものだった。

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