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Ezra ReguerraライターYohan Yu監修ライター

ユーロ建てステーブルコインが128%急拡大 MiCA規制で“ドル一強”に反撃なるか

最新ニュース公開日2026年7月9日

デクタのレポートによれば、MiCAに準拠した8つのユーロ建てステーブルコインの時価総額は、欧州のCASP移行期間終了を前に、6億7390万ドル(約1095億円)まで拡大した。

決済インフラ企業デクタによれば、EUの暗号資産規制「MiCA(暗号資産市場規則)」の移行期間終了を前に、規制に準拠したユーロ建てステーブルコインの時価総額は、この1年で128%増加した。

デクタが日曜に公表したレポートによると、MiCAに準拠した8つのユーロ建てステーブルコインの時価総額は、2025年6月30日時点の2億9560万ドル(約480億円)から、2026年6月28日には6億7390万ドル(約1095億円)へと拡大した。取引高も4700万ドル(約76億円)から6730万ドル(約109億円)へ、43.1%増加した。レポートで追跡対象となったMiCA準拠のユーロ建てステーブルコインの数も、この期間に5銘柄から8銘柄へ増えている。

デクタが追跡したのは、調査期間中に実際にトークンを発行し、時価総額と取引高が確認できた8つのユーロ建てステーブルコインだ。一方で、欧州証券市場監督機構(ESMA)のMiCA暫定登録簿には、より広い範囲のトークンが掲載されており、その中にはデクタが定めた「実際に活動している」とする基準を満たさないものも含まれている可能性がある。

レポートは、MiCAのもとでユーロ建てステーブルコインが成長している一方、その出発点はなお小さいと指摘する。市場全体はいまだドル建てトークンが支配している。コインゲッコーのデータによれば、米ドルに連動するステーブルコインの時価総額は約3000億ドル(約48兆7600億円)に達している。これに対し、デクタが集計した8つの「活発に取引されるMiCA準拠ユーロ建てステーブルコイン」の時価総額は、ドル建てステーブルコイン市場のわずか0.22%にすぎない。

7月1日以降、EU域内で暗号資産サービスを提供する企業は、原則としてMiCAに基づく認可を取得する必要がある。デクタのデータは、MiCAにおける暗号資産サービスプロバイダー(CASP)の移行期間が終了する数日前までを対象としている。

Market capitalization of the top eight euro-pegged stablecoins. Source: Decta

MiCAのもとで伸びるユーロ建てステーブルコイン 競争力めぐる論争も

今回のレポートは、MiCAの厳格なステーブルコイン規制が、ユーロ圏のエコシステム成長を後押ししているのか、それともドル建てトークンに対する競争力を削いでいるのかという、政策当局者や業界団体の間の議論に一石を投じるものだ。

4月27日、ブロックチェーン・フォー・ヨーロッパは、MiCAによってユーロ建てステーブルコインの安全性は高まったものの、商業的には弱体化したとするレポートを公表した。同レポートは、MiCAの準備資産要件や利払い禁止規定によって、ユーロ建てトークンが不利な立場に置かれていると指摘している。

議論は5月、ブリュッセルに拠点を置くシンクタンク「ブリューゲル」が政策提言ペーパーを公表したことで、さらに熱を帯びた。同ペーパーは、ステーブルコイン発行体に対する流動性要件を緩和し、場合によっては欧州中央銀行(ECB)の資金供給へのアクセスを認めるべきだと提案した。規制を緩めることで、ユーロ建てステーブルコイン市場がドル建てトークンと競争しやすくなるという主張だ。

だが、ECBはこれに待ったをかけた。5月23日、ECBはEU財務相らに対し、ユーロ建てステーブルコインの発行拡大は銀行融資を弱め、金融政策の運営を複雑にする恐れがあると警告した。さらにECBは、EUの厳格なルールがデジタル・ドル化を加速させるとの懸念についても、退ける姿勢を示している。

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