
メタプラネット、Siiibo証券を買収へ ビットコイン金融事業を本格化
メタプラネットが、Siiibo証券の買収に動いた。社名は「メタプラネット証券」へ――。日本でビットコイン中心の金融戦略「プロジェクト・ノヴァ」を推し進める同社が、いよいよ証券ビジネスに本腰を入れる。

東証上場のビットコイン財務戦略企業、メタプラネットが、新たな一手に出た。
同社は金曜日、Siiibo証券を21億円、ドル換算で約1310万ドル(約21億円)で買収することで合意したと発表した。狙いは、証券事業への本格参入である。
メタプラネットによれば、同社は金融商品取引業者として登録を受けているSiiibo証券の株式100%を取得する株式譲渡契約を締結した。買収完了は7月を予定しており、完了後、Siiibo証券はメタプラネットの完全子会社となり、社名も「メタプラネット証券」に変更される。
メタプラネットのサイモン・ゲロヴィッチCEOは、この買収について、同社が日本でビットコイン中心の金融エコシステムを構築するための戦略「プロジェクト・ノヴァ」の第一歩だと位置づけた。
「当社のバランスシート上にある4万177BTCを支えとして、日本の投資家に向けてビットコイン関連の利回り商品を直接開発・提供していく」
ゲロヴィッチ氏はそう述べている。
同社によれば、Siiibo証券が持つライセンス、社債プラットフォーム、顧客基盤を活用することで、メタプラネットはBTC連動債のようなインカム志向の商品を開発できるようになる。また、日本国内で利回りを求める投資家に直接アクセスする道も開けるという。
データサイト「ビットコイン・トレジャリーズ」によれば、メタプラネットが保有するビットコインの純資産価値は4576億円、ドル換算で約28億6000万ドルにのぼる。これは日本の上場企業としては最大、世界でも3番目の規模となる。

Metaplanet’s Bitcoin treasury holdings. Source: Bitcoin Treasuries
日本企業、暗号資産の「金融化」に備える
メタプラネットによる証券事業への進出は、日本の金融・暗号資産関連企業が、来るべき規制変更を見据えて動き出している流れに連なるものだ。
日本では、暗号資産を従来の金融市場により近づける制度改正が進みつつある。報道によれば、衆議院は木曜日、暗号資産を金融商品取引法の枠組みに組み込む法案を可決した。これにより、暗号資産ETFの実現や、暗号資産に対するより有利な税制への道が開かれる可能性がある。
日本の市場インフラ企業もまた、デジタル資産を既存の資本市場にどう組み込めるか、検証を進めている。
4月には、日本取引所グループ傘下の日本証券クリアリング機構が、みずほ、野村、デジタル・アセットとともに、カントン・ネットワーク上で日本国債をデジタル担保として活用する実証実験を始めると発表した。
SBI新生銀行も、預金連動型の暗号資産リワードサービスを準備していると報じられている。これは、顧客がSBI VCトレードを通じてビットコイン、イーサ、XRPに交換できるバウチャーを受け取れる仕組みだという。
SBIグループ全体でも、暗号資産交換サービス、ステーブルコイン融資、暗号資産に連動する投資信託やETFなど、証券商品の計画を含めて事業領域を広げている。
暗号資産はもはや、取引所の画面の中だけにあるものではない。銀行、証券、国債、ETF――日本の金融市場の本丸へ、じわりと入り込み始めている。
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