
米下院委員会、戦略的ビットコイン準備法案を可決 政府保有BTCを20年間保管へ
米下院金融サービス委員会が、ドナルド・トランプ大統領の戦略的ビットコイン準備制度を法制化する「米国準備金近代化法案」を28対21で可決した。法案は政府が保有するビットコインを少なくとも20年間保管することなどを定める。成立には今後、下院本会議と上院の承認が必要となる。

米国で、ビットコインを国家の準備資産として扱う動きが一歩前進した。
米下院金融サービス委員会は9月16日、ドナルド・トランプ大統領が打ち出した戦略的ビットコイン準備制度を法制化する「2026年米国準備金近代化法案(H.R.8957)」を28対21で可決した。
この法案は、米財務省の下に「戦略的ビットコイン準備金」と「デジタル資産備蓄」を設けるもの。連邦政府が保有するビットコインのほか、刑事・民事没収によって取得したビットコインやその他のデジタル資産を管理する枠組みを整備する。
法案を5月21日に提出したニコラス・ベギッチ下院議員は、政府が保有するビットコインを「断片的で一貫性のない管理体制」のままにすることはできないと主張した。こうした管理はサイバーセキュリティー上のリスクを生み、連邦政府が実際にどれだけの資産を保有しているのかを十分に把握できなくするとの考えだ。
政府保有BTC、約385兆円規模ではなく約3.8兆円規模
法案が成立すれば、連邦政府の準備金に組み入れられたビットコインは最低20年間、保有されることになる。
一方、米政府が現在保有しているビットコインは32万4527BTCと推定されている。ブロックチェーン分析企業アーカム・インテリジェンスによれば、その価値は記事執筆時点で247億ドル(約3兆8500億円)に相当するという。
法案ではさらに、連邦政府が現在保有または管理しているデジタル資産について、すべての連邦機関に完全な資産記録の作成を求める。
透明性を高めるため、四半期ごとの「プルーフ・オブ・リザーブ(準備資産証明)」報告や第三者による監査も盛り込まれている。
また、戦略的ビットコイン準備金を拡大するため、政府予算への純粋な追加負担を抑えた取得方法について調査するよう求めるほか、各州が保有するビットコインを連邦準備制度に保管できる仕組みも設ける。
個人のビットコイン保有・自己管理も明記
法案が対象とするのは政府の準備金だけではない。
個人によるビットコインの保有や自己管理(セルフカストディ)の権利も明記している。
法案では、秘密鍵を管理する権利について、デジタル時代における「金融主権、プライバシー、個人の自由」の原則にとって「根本的なもの」と位置づけている。
今回の採決を受け、ビットコイン・ポリシー・インスティテュートのコナー・ブラウン事務局長はXへの投稿で、「ビットコイン政策にとって本当に歴史的な一歩」と評価した。
また、ストライブのマット・コールCEOも5月、この法案を「ワシントンから生まれ得る最も重要な暗号資産法案」と評していた。
ただし、委員会で可決されたからといって、直ちに法律になるわけではない。
今後、法案は下院本会議を通過したうえで、上院でも承認される必要がある。最終的にトランプ大統領の署名に至るまでには、なお複数の段階が残されている。
トランプ政権が進める戦略的ビットコイン準備制度を、行政措置から法律へと移せるか。
今回の委員会採決は、そのための一つのハードルを越えた格好だ。

