
セルシウス破綻財団、ビットメックスを提訴 6360BTC・約762億円の賠償請求
暗号資産レンディング企業セルシウスの破綻財団が、ビットメックス関連5社を提訴した。2020年3月の市場急落時に、ビットコイン6360BTC超を不当に清算・差し押さえたとして、約4億9000万ドル(約762億円)の回収を求めている。

セルシウスの破産財団は、2020年3月の市場急落時に不正行為や相場操縦、不当な強制清算があったとして、暗号資産デリバティブ取引所ビットメックスに関連する5社を提訴した。
訴状は9月12日、ニューヨーク南部地区の米連邦破産裁判所に提出された。セルシウス関連法人が、破産財団の代理人であるブロックチェーン・リカバリー・インベストメント・コンソーシアム(BRIC)を通じて起こしたものだ。
被告には、HDRグローバル・トレーディング、ABSグローバル・トレーディング、シャイン・エフォート、100xホールディングス、HDRグローバル・サービスズが含まれる。
セルシウス側は、ビットメックスが2020年3月12日にセルシウスから担保として預かっていた1325.84BTCを不当に清算・差し押さえたと主張。翌13日には、投資ファンドJSTから5034.33BTCを同様に清算・差し押さえたとしている。訴状によると、JSTはその後、関連する請求権をセルシウスの破産財団に譲渡した。
財団側が求めているのは、執筆時点で約4億9000万ドル(約762億円)相当のビットコインの回収だ。訴訟は、ビットメックスが9月23日に取引所サービスを停止する予定の11日前に提起された。
セルシウス側「ビットメックスが2020年の売りを加速」
セルシウスの破産財団は、ビットメックスが強制清算を発動する際の価格や、清算を実行するエンジン、一部の清算ポジションから得られた資金を受け取る保険基金を管理していたと主張している。
訴状によると、一部の清算売り注文は、ビットメックス上で提示されていた次に有利な売り注文価格を24%以上下回る価格で出されていた。また、清算が進むにつれて、ビットコインは他の取引所よりもビットメックスで低い価格で取引されていたという。
財団側は、2020年3月13日に発生したビットメックスのサービス障害のタイミングも主張の根拠としている。取引所が利用できなくなると清算注文が止まり、その後ビットコイン価格が回復したことから、ビットメックスでの強制売却が価格を押し下げていたとみている。
ビットメックスは3月16日、3月13日に協調型の分散型サービス拒否(DDoS)攻撃を2回受けたと発表している。攻撃は協定世界時(UTC)午前2時16分と午後0時56分に発生したという。
財団側は、少なくとも6360.16BTC、またはその現在価値に相当する実損害の賠償を求めている。ビットコインそのものの返還、または同等の市場価値の支払いも請求した。
このほか、法定損害賠償、懲罰的損害賠償、適用される場合には3倍賠償、清算によってビットメックスが得たとされる利益、弁護士費用なども求めている。
追加の請求額については訴状では具体的な金額を示しておらず、裁判で決定されるべきだとしている。
7月23日には、BKXサービスズとデービッド・ナムダーが別の集団訴訟を提起し、強制清算によって合わせて622.66BTCを失ったと主張した。この訴訟では、ビットメックスの社内取引部門が顧客の非公開情報にアクセスでき、サーバーが停止している間も取引を続けられたと訴えている。
この7月の訴訟について、ビットメックスの広報担当者はCointelegraphに対し、「根拠のない便乗的な請求」だと主張し、全面的に争う姿勢を示した。なお、このコメントは7月の訴訟に関するもので、今回のセルシウスによる提訴への回答ではない。

