
カルシに全面ストップ命令 米ワシントン州、"予測市場"のスポーツ・選挙予想を違法賭博と断定
暗号資産ならぬ"賭けアプリ"として急成長してきた「カルシ」。だが米ワシントン州は「それは賭博だ」と判断した。9月2日までに全面撤退を迫られる同社の"言い分"とは。

米ワシントン州の裁判所が、予測市場プラットフォーム「カルシ(Kalshi)」に大鉈を振るった。
キング郡上位裁判所のジョン・マクヘイル判事は、スポーツ、選挙、政治、エンターテインメント、文化、テクノロジー、科学、そして著名人の"発言予想"といった、いわゆる「イベント契約」全般について、ワシントン州内での提供停止を命じる決定を下した。カルシ側は「連邦の商品取引法が州の賭博規制に優先する」と主張していたが、裁判所はこれを一蹴した格好だ。
一方、商品や気候、経済、金融がらみの契約については"お咎めなし"。従来通り州内での取引が認められている。
ワシントン州のニック・ブラウン司法長官は、X(旧ツイッター)上で「カルシによる違法賭博営業に、しっかりと責任を取らせる」と勝ち誇った。
カルシに突きつけられた"期限"は明確だ。8月19日までにIPアドレスと居住地情報を組み合わせたジオフェンシング(地理的アクセス制限)を導入し、さらに9月2日までには「ジオコンプライ(GeoComply)」による複数ソース型の、より精度の高いジオフェンシングシステムを構築せよ、というのだ。ワシントン州民が対象契約を購入できないようにする"デジタルの壁"というわけだ。
今回の命令は、7月にマクヘイル判事が下した仮差し止め命令の内容を正式に確定させたもの。判事は「商品取引所法はワシントン州の賭博規制を無効化するものではない」と判断し、州側が主張する3つの州法違反について「勝訴の見込みが高い」と認定していた。
カルシ側は一貫して「商品先物取引委員会(CFTC)が自社の取引所について排他的な管轄権を持つ」と主張。ワシントン州控訴裁判所に命令の執行停止を求めていたが、これも退けられている。
暗号資産業界の一部からも熱視線を集めてきた"予測市場"ビジネス。だが少なくともワシントン州においては、その前途に暗雲が立ち込めている。

