
「中国版ワールドコイン」Humanity Protocolで秘密鍵流出 Hトークン85%急落、被害額は48億円超
「中国版ワールドコイン」とも呼ばれてきたヒューマニティ・プロトコルが、秘密鍵の流出によって3000万ドル、日本円にして約48億円を超える被害を受けた。これを受け、同プロジェクトのネイティブトークン「H」は火曜日、急落した。

「中国版ワールドコイン」とも呼ばれてきたヒューマニティ・プロトコルが、秘密鍵の流出によって3000万ドル、日本円にして約48億円を超える被害を受けた。これを受け、同プロジェクトのネイティブトークン「H」は火曜日、急落した。
ヒューマニティ・プロトコルの創業者兼CEOであるテレンス・クォック氏は同日、こう明かした。
「ヒューマニティ財団のメンバーが保有する秘密鍵が侵害されたセキュリティ事案を確認した」
クォック氏は、ブリッジや流動性プールについて、安全が確認されるまでは一切操作しないよう利用者に呼びかけた。チームはセキュリティ専門家と連携して対応にあたっているというが、この時点でそれ以上の詳細は明らかにされていない。
ヒューマニティは、zkEVMブロックチェーンを基盤とする分散型IDプロジェクトだ。「プルーフ・オブ・ヒューマニティ」を掲げ、プライバシー保護型の手のひら生体認証を用いる点を特徴としている。
だが、売りは無慈悲だった。
コインゲッコーによると、Hトークンの価格は直近12時間で約85%急落。約0.70ドル、日本円で約112円だった価格は、本稿執筆時点で0.08ドル、約13円まで沈んだ。
オンチェーン調査員の「スペクター」は、ヒューマニティ・プロトコルと関連する、あるいは同プロトコルとやり取りしたウォレットが、現在進行形の攻撃で侵害されているようだと指摘した。被害額は、同プロジェクトのネイティブトークンHで最大3000万ドル、約48億円に及ぶという。
アーカム・インテリジェンスも、攻撃者が3000万ドル超を盗み、カイバー・ネットワークやパンケーキスワップなどの分散型取引所を通じてHトークンを交換していたと報告している。

Source: Arkham Intelligence
秘密鍵流出は止まらない
秘密鍵の侵害をめぐる大型事件は、今年に入ってからも相次いでいる。
その代表例の一つが、4月に発生したドリフト・プロトコルのエクスプロイトだ。北朝鮮系ハッカー集団ラザルス・グループと関係する攻撃者が、セキュリティ評議会の管理者キーを掌握。結果として2億8000万ドル、日本円で約448億円が失われた。
このほかにも、ステップ・ファイナンス、リゾルブ、ヴォロ・ヴォルト、エコー・ブリッジ、バンクアール、ポリマーケット、スターブル、ステークDAO、グラビティ・ブリッジ、エルフィウム・ブリッジなどが、同様の秘密鍵・ウォレット侵害の標的となっている。
サーティックの報告によれば、5月における攻撃手法の中で、ウォレットまたは秘密鍵の侵害は2番目に大きな被害をもたらした。盗まれた額は1370万ドル、約21億9000万円に上る。
プロジェクトがどれほど先端的な技術を掲げようとも、最後に狙われるのは、やはり「鍵」だった。

