
ビットコイン採掘企業HIVE、AI向けGPU事業で約354億円契約 年113億円の収益増へ
今回の契約により、同社がAI向け事業を拡大するなかで、年間経常収益は約7000万ドル(約113億円)上積みされる見通しだ。

カナダのビットコイン採掘企業、ハイブ・デジタル・テクノロジーズは、同社のAI子会社バズHPCが、ベルAIファブリックとの間で、AIスタートアップのコヒア向けに約2億2000万ドル(約354億円)規模の3年間GPUクラウド契約を締結したと明らかにした。
暗号資産市況の荒波をくぐってきた採掘業者が、今度はAIインフラという“金脈”に乗り出した格好だ。
今回の契約では、バズHPCがブリティッシュコロンビア州にあるベル・カナダのデータセンターに、エヌビディアの「グレース・ブラックウェル」GPUを2304基配備する。これらのインフラは、コヒアが企業や政府機関向けに提供する人工知能モデルやサービスを支えることになる。
稼働開始後、ハイブはこのプロジェクトから年間約7000万ドル(約113億円)の契約済み年間経常収益が見込めるとしている。これにより、同社のHPC事業における契約済み収益目標は1億ドル(約161億円)超に引き上がるという。
ハイブは、AIインフラの購入資金について、4月に完了した1億1500万ドル(約185億円)の転換社債調達の一部を充てるとしている。
ヤフー・ファイナンスのデータによれば、執筆時点で同社株は約9%上昇し、過去1カ月では約24%高となっている。セクター連動型ETFであるコインシェアーズ・ビットコイン・マイニングETF(WGMI)も、この日は5.4%上昇し、過去1カ月では30%超の上昇となった。ハイブ株は同ETFにおいて8番目に大きい組み入れ銘柄だ。

Source: Yahoo Finance
関連記事: ジョージア副首相、違法ビットコイン採掘にメス
ビットコイン保有は減少、一方でAI事業は拡大
今回の契約は、ハイブが進めるAIインフラ事業拡大の最新の一手だ。5月には、同社のバズHPC子会社がトロント近郊に320メガワット規模のAIデータセンターキャンパスを計画していると発表していた。この施設は、10万基を超えるGPUを支える能力を持つという。
今月初め、ハイブは2026会計年度におけるHPC部門の売上高が1950万ドル(約31億円)に増え、前年からほぼ倍増したと報告した。同社はまた、同事業の契約済み年間経常収益が3500万ドル(約56億円)に達したとも説明している。エヌビディア製GPUクラスターの導入や、新たな企業向け契約が追い風となった。
その一方で、ハイブのビットコイン財務保有高は減少している。前四半期には481BTCだった保有量が、150BTCまで落ち込んだ。

Source: BitcoinTreasuries.NET
関連記事: エヌビディア3.2兆円社債発行へ ビットコイン採掘業者がAIデータセンターに転身する理由
AI投資が膨らむなか、ハッシュレートには陰り
木曜日、ザ・エナジー・マグ――旧ザ・マイナー・マグ――は、ビットコインの採掘難易度が6月14日に10.09%低下したと指摘した。採掘難易度とは、採掘業者が新たなブロックを生成する難しさを示す指標であり、今回の下落はビットコインネットワークの歴史上でも大きな調整の一つとなった。
同メディアは、この低下の背景として、採掘採算の悪化、ビットコイン価格の下落、テキサス州における季節的な電力制限、そして電力市場全体の動向を挙げている。
さらに、採掘業者が電力をAIやHPCプロジェクトに振り向けることで、ビットコイン採掘に使える設備容量が減り、将来のハッシュレート成長にも影響を与える可能性があると論じた。

Bitcoin mining difficulty. Source: Coinwarz.com
この難易度低下は、コインテレグラフがビットコイン採掘の収益性が過去最低水準に落ち込んだと報じた数日後に起きた。採掘業者の一部にとっては、黒字を維持することがますます難しくなっている。
それでも、採掘企業のAI・高性能計算分野への進出は止まらない。火曜日には、アイレンがスペインのデータセンター開発会社ノストラム・グループの買収を完了した。また、テラウルフは最近、ケンタッキー州の開発用地を追加した。同社によれば、この用地は将来的に1ギガワット超のAIおよびHPC容量を支える可能性があるという。

