
ジョージア副首相、違法ビットコイン採掘にメス
ジョージア政府が、違法なビットコイン採掘の取り締まりに本腰を入れる。舞台となっているのは、同国北西部の山岳地帯メスティアだ。

ジョージア政府が、違法なビットコイン採掘の取り締まりに本腰を入れる。舞台となっているのは、同国北西部の山岳地帯メスティアだ。政府は村落や集落ごとに電力メーターを設置し、電力網に過大な負荷をかけている違法な暗号資産マイニング施設の摘発に乗り出すという。コインテレグラフが6月2日に報じた。
ジョージアの副首相マムカ・ムディナラゼ氏は月曜日の記者会見で、違法マイニングによってメスティアの2025年の電力消費量が1億3300万キロワット時に膨れ上がったと説明した。これは、同規模の自治体の通常水準の13倍超にあたる。
「住民も観光客も巻き込まれている」
ムディナラゼ氏によれば、大規模な違法マイニング施設の稼働により、地域の電力供給は悪化。送電網は過負荷に陥り、停電が相次いでいるという。影響を受けているのは地元住民だけではない。観光地でもあるメスティアでは、観光客にも停電被害が及んでいる。
政府はすでに、法執行機関に対して違法マイニング施設の特定を指示した。コインテレグラフはジョージア政府に対し、違法マイニングへの制裁内容や、事業者に合法化のためのライセンス取得ルートが用意されているのかについて問い合わせた。

Mdinaradze speaking at a Monday press conference. Source: 1tv.ge
年間被害は最大15億円規模
ムディナラゼ氏によれば、違法ビットコイン採掘による追加の電力消費は、年間で2000万〜2500万ラリ、米ドル換算で最大940万ドルの損害を生んでいる。現在の為替水準を1ドル=約160円で見れば、約15億円に相当する。なお、SMBCの為替表示では米ドルは159円台後半で推移している。
メーター設置は、村落・集落単位の大枠だけでなく、より細かなローカル単位でも実施される見通しだ。目的は、違法マイニングがどこで行われているのかを正確に突き止めることにある。
一方で政府は、スヴァネティ地方の住民向け電力無料制度は維持すると説明している。一定量までは従来通り無料とし、今回の措置はあくまで違法マイニングの摘発に向けたものだ、という立て付けである。
「安い電気」が呼び込んだ暗号資産マイナー
ジョージアは、コーカサス山脈由来の豊富な水力発電を背景に、電気料金が安い国として知られる。そのため、低コストの電源を求めるビットコイン採掘事業者にとって、かねて魅力的な拠点となってきた。
さらに、同国は電力料金の安さに加え、税制面でも暗号資産マイニングを呼び込みやすい環境を整えてきた。自由工業区の存在や、一部の暗号資産関連活動に対する付加価値税の免除などが、その誘因となっている。
大手ビットコイン採掘企業ビットフューリーも、早くからジョージアに進出した企業のひとつだ。2014年には、同国で20メガワット規模のビットコイン採掘施設「ゴリ・データセンター」を建設している。
ただ、安い電気は諸刃の剣だった。暗号資産ブームの裏側で、山岳地帯の送電網は“見えない電力消費者”にむしばまれていた。今回のメーター設置は、その実態を丸裸にするための第一歩となりそうだ。
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