
エヌビディア3.2兆円社債発行へ ビットコイン採掘業者がAIデータセンターに転身する理由
エヌビディアの社債発行計画は、AIインフラ需要の過熱ぶりを改めて印象づけるものだ。ビットコイン採掘業者がAIデータセンターへ軸足を移す――そのシナリオにも、いっそう説得力が増している。

半導体大手エヌビディアが、AI関連投資のために200億ドル、日本円にして約3兆2000億円規模の社債発行を計画しているという。AIインフラとデータセンター需要の底知れぬ強さを物語る動きだが、その波は思わぬところにも及んでいる。ビットコイン採掘業者である。暗号資産一本足打法から、AI向け計算インフラ企業へ――そんな転身の道が、いよいよ現実味を帯びてきた。
ブルームバーグは月曜日、エヌビディアがAI関連投資の資金調達と既存債務の借り換えを目的に、少なくとも200億ドル、日本円で約3兆2000億円を調達しようとしていると報じた。
事情に詳しい関係者の話として、同社は2年債から30年債まで、7種類の年限にわたる社債を発行する計画だという。最も期間の長い債券の利回りは、同程度の米国債を約0.9ポイント上回る水準になる見込みだ。
今回の社債発行は、AI拡大に向けた資金需要に対して、投資家の appetite――つまり食欲がなお旺盛であることを示している。同時に、業界の中心に立つエヌビディア自身が、AIインフラ需要は今後も強いと見ていることのサインでもある。

Source: Cointelegraph
大規模言語モデルを動かすGPUの圧倒的供給元として、エヌビディアはAIエコシステムのど真ん中にいる。同社のチップは、ハイパースケーラーやクラウド事業者に広く使われており、その投資計画は業界全体の先行きを占う“体温計”として注視されている。
この息の長いAIインフラ投資は、ビットコイン採掘業者にも恩恵をもたらしている。電力を大量に消費する施設や電力インフラを、高性能コンピューティングやAIホスティング向けに転用する動きが広がっているためだ。
かつてはビットコイン採掘収入にほぼ全面的に依存していたハイブ・デジタル、テラウルフ、ハット8、クリーンスパークといった企業は、いまやデータセンター容量の提供企業としての顔を強めている。自前の設備と既存の電力契約を武器に、膨らみ続ける計算資源需要を取り込もうとしているのである。
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ビットコイン採掘の採算はなお厳しく
ビットコイン採掘業者がAI分野への多角化を急ぐ背景には、本業である暗号資産ビジネスの採算悪化がある。とりわけ2024年4月の半減期以降、採掘難易度と運営コストが高止まりするなかで、利益率への圧力は一段と強まった。
業界は、一部アナリストが「史上最も厳しいマージン環境」と表現する局面に直面している。その結果、多くの採掘業者は保有するビットコインの一部を売却し、レバレッジを圧縮し、暗号資産採掘以外の新たな収益源を探らざるを得なくなっている。
ジ・エナジーマグのデータによると、ビットコイン採掘業者は10月から3月にかけて、合計1万5000BTC超を売却した。
ビットコイン採掘企業による財務保有分の売却は、BTCが12万6000ドル、日本円で約2016万円を超えてピークを付けた10月以降、加速している。

Bitcoin mining companies’ treasury sales have accelerated since October, when BTC peaked above $126,000. Source: TheEnergyMag
こうした状況を受け、アナリストらは大手採掘業者がAIインフラ提供企業へと進化していくと見ている。たとえばバーンスタインは最近、アイレンについて、企業価値の大半がAIインフラ事業に由来するようになるとの見方を示した。同社のクラウドAI事業の急成長を理由に挙げている。
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