
AIエージェントが暗号資産を"爆買い"する時代へ──コインベースCEOが語った未来予想図がヤバい
「AIの時代が来れば、暗号資産なんてお払い箱になる」──そんな業界の空気に、あの暗号資産最大手のトップが真っ向からケンカを売った。米コインベースのブライアン・アームストロングCEOが放った"逆張り宣言"の中身とは。しかもその裏では、AIが勝手に金を払い合う「新時代の決済」がすでに1億件を突破していた。

「AIが来たら、暗号資産はもう終わり」──。
近ごろ、そんなムードが業界に漂っている。だが、そのど真ん中に立つ男が、真っ向から異を唱えた。米暗号資産取引所最大手・コインベースのブライアン・アームストロングCEOである。
アームストロング氏は日曜、X(旧ツイッター)に登場。「暗号資産をAIへ路線変更せよ」という声を一蹴し、こう言い放ったのだ。〈AIエージェントこそが、暗号資産ベースの金融サービスの需要を爆発させる〉と。
「AIが巨大トレンドだからといって、暗号資産の価値は1ミリも減らない」
アームストロング氏はそう書き込んだ。理由はこうだ。AIエージェント――人間の代わりに自律的に動くソフトウェア――が動くには、従来の銀行の仕組みではなく〈プログラム可能なマネー〉が要る。だからこそ、と彼は畳みかける。
「むしろAIは、暗号資産をより重要にするのだ」
「機械が機械に金を払う」時代の到来
暗号資産業界では今、ブロックチェーンを"AIエージェント専用の決済インフラ"として売り込む動きが加速している。アームストロング氏がぶち上げたのが、〈エージェンティック・ファイナンス(AiFi)〉なる構想だ。
これは、AIエージェントがデジタル経済の"プレイヤー"となり、人間の手を一切借りずに支払いをこなし、金融サービスと勝手にやり取りする――という近未来図である。夢物語ではない。その土台は、すでに三つ揃っている。
一つ目が「ベース(Base)」。コインベースが2023年に立ち上げた、イーサリアムの"レイヤー2"ネットワークだ。オンチェーンのアプリを、より速く、より安く動かすために作られた汎用インフラである。
二つ目が「x402」。昨年コインベースが投入した決済プロトコルで、HTTPの「402 Payment Required(支払いが必要)」という規格を土台にしている。何がスゴいのか。AIエージェントら自律システムが、口座もなければ面倒な決済画面もなしに、APIやデータといったデジタル資源の代金を"自動で"支払えてしまうのだ。
そして三つ目が「USDC」。2018年、サークルとコインベース出資の〈センター・コンソーシアム〉が世に出した、ドルと1対1で連動するステーブルコインである。このUSDCがx402決済に使われ、ソフトウェア・エージェント同士が勝手に取引を成立させていく。
ベース、x402、USDC――。この三点セットこそ、コインベースが描く"AI決済インフラ"の心臓部なのだ。
なお、コインベースは木曜に第2四半期決算を発表予定。ヤフー・ファイナンスによれば、アナリスト予想の平均売上高は12億9000万ドル(約2100億円)で、前年同期比13.8%減の見込み。1株当たり利益は横ばいと見られている。
すでに"1億件"を突破していた
「まだ先の話だろう」と侮ってはいけない。
分析会社チェイナリシスが6月に公表したデータによれば、ベース上でx402を通じたAIエージェントの決済は、稼働からわずか9カ月ほどで1億件を突破していたのである。
同社は、オンチェーン上のx402関連の資金の流れを特定して集計。すると、1ドル(約164円)以上の取引が、動いた金額全体の実に95%を占めていたという。

Source: Chainalysis
さらに興味深い実態も浮かんだ。AIエージェントの決済に使われるウォレットは、一般的なベース利用者に比べて〈新しく作られたものが多く、保有する資産の種類は豊富で、残高は少なめ〉という傾向があったのだ。
まさに、機械が機械へ小刻みに金を払い合う――その新しい経済圏が、静かに、しかし確実に立ち上がりつつある。
コインテレグラフはチェイナリシスに対し、最新のx402活動データと追跡手法の詳細を問い合わせたが、掲載時点で回答は得られていない。

