
破綻FTXの被害者に"倍返し"の朗報! 総額1,458億円の第5次返済スタート 一方"詐欺王"SBFは獄中で恩赦も"門前払い"
史上最悪の暗号資産取引所破綻から約2年半——。返済を担う「FTXリカバリー・トラスト」が7月31日、9億ドル(約1,458億円)もの分配を開始する。5万ドル未満の債権者には投資額の120%が戻る"太っ腹"ぶりだが、禁錮25年の創業者サム・バンクマン=フリード(SBF)の恩赦は、米上院の全会一致決議で完全に望み薄となった。

破綻した暗号資産取引所FTXの債権者への返済を担う信託「FTXリカバリー・トラスト」は、次回の資金分配を7月31日に開始すると発表した。
金曜に出された通知によれば、同トラストと同取引所は、再建計画における「コンビニエンス・クラス(便宜クラス)」および「ノンコンビニエンス・クラス」の請求者に対し、約9億ドル(約1,458億円)を分配するという。対象となる債権者は、7月31日以降、ビットゴー、クラーケン、ペイオニアのいずれかの口座を通じ、1〜3営業日以内に資金を受け取れる。
今回の分配は、FTXの債権者への返済としては第5次のラウンドにあたる。同社の再建計画では、5万ドル(約810万円)未満のコンビニエンス請求には120%が払い戻される一方、それ以外の債権者には103〜105%が分配される。

Source: Sunil Kavuri
3月に22億ドル(約3,564億円)を分配したのに続き、同トラストは、2022年11月に同社が経営破綻を申請して以来、これまでに約100億ドル(約1兆6,200億円)を支払ってきた。当時は暗号資産市場の急落を受け、多くの取引所が連邦破産法11条(チャプター11)の適用申請に追い込まれる事態に陥っていた。CEOだったサム・"SBF"・バンクマン=フリード氏、そしてFTXバハマ法人の共同CEOだったライアン・サレイム氏をはじめとする元幹部たちは、顧客資金の不正流用に関与したとして、いまなお連邦刑務所に収監されている。
5月には、FTX破綻前に同社へ助言していた法律事務所フェンウィック・アンド・ウェストが、元利用者らの起こした集団訴訟で和解し、5,400万ドル(約875億円)を支払うことで合意した。そのわずか数日前には、FTX利用者20人のグループが同事務所を相手取り、5億2,500万ドル(約851億円)の損害賠償を求めて提訴していたのである。
元FTX・CEOへの「大統領恩赦」、雲行きは怪しく
バンクマン=フリード被告は、FTXにおける顧客資金の不正流用をめぐる刑事訴追に対し無罪を主張したが、2024年に有罪と認定され、禁錮25年の判決を言い渡された。判決と量刑を不服とした控訴も、先月、連邦控訴裁判所がニューヨークの裁判所の判断を支持したことで棄却されている。
ところが、この控訴審判決が公になる前から、同被告はドナルド・トランプ大統領に恩赦を申請していた。だが当のトランプ氏は1月のインタビューで、恩赦を与えるつもりはないと明言している。そのトランプ氏の発言をよそに、今週、米上院は元FTX・CEOへの恩赦に反対する決議を全会一致で採択した。
この決議にトランプ氏の恩赦を止める法的拘束力はない。とはいえ、有罪判決を受けた重罪人への恩赦付与に対し、超党派で反対の意思が示された格好だ。多くの議員は、元バイナンスCEOのチャンポン・ジャオ(CZ)氏にトランプ氏が恩赦を与えたことも批判の的にしている。UAE(アラブ首長国連邦)の関連企業が、トランプ一族の営む「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」の発行するステーブルコインを使い、同暗号資産取引所に20億ドル(約3,240億円)を投じていた経緯があるからだ。

