
運用資産1160兆円——世界3位の巨人フィデリティが動いた! 米「CLARITY法」をめぐる仁義なき攻防
世界第3位の資産運用会社が、ついに動いた——。コインベースCEOも、業界団体も、いま一斉に声を張り上げている。米国の暗号資産の未来を左右する「クラリティ法」。その成立を阻む"最後の壁"とは何なのか。関係者の思惑が交錯する、その全内幕に迫る。

資産運用の世界に君臨する"巨人"が、ついに重い腰を上げた。
米資産運用大手フィデリティ・インベストメンツの公共政策部門は7月25日(金)、米上院に対し「CLARITY法」の可決を強く求めた。明確な暗号資産規制こそが投資家の信頼を厚くし、市場参加者に確実性をもたらし、そして世界の暗号資産市場における米国のリーダーシップを盤石にする——。同社はそう訴えたのだ。
これでフィデリティは、暗号資産の市場構造法制を前へ進めるよう米議員たちに迫る金融各社・業界団体の"連合軍"に、名を連ねることになった。その包囲網は、いままさに膨らみ続けている。
同じ25日の朝には、業界団体「クリプト・カウンシル・フォー・イノベーション」「デジタル・チェンバー」「ブロックチェーン・アソシエーション」が揃って上院指導部に法案の本会議上程を要求。さらに23日(水)には、暗号資産取引所大手コインベースのブライアン・アームストロングCEOまでもが、上院本会議での採決を公然と求めていた。まさに"総動員"である。
CLARITY法が成立すれば、米国における暗号資産の規制の枠組みが確立されることになる。だが、道のりは平坦ではない。法案が上院を通過するには60票が必要。共和党は52対47で多数を握るものの、その数だけでは足りないのだ。共和党側は23日に修正後の法案文を公表したが、一部の民主党議員は「倫理条項が汚職への懸念に応えるには不十分だ」と、なおも噛みついている。この"倫理の壁"こそが、成立を阻む最大の関門なのだ。
それにしても、今回名乗りを上げたフィデリティの存在感は際立っている。ソブリン・ウェルス・ファンド・インスティテュートによれば、同社は世界第3位の資産運用会社。2025年の年次報告書で公表した運用資産残高は、実に7.1兆ドル——日本円にしておよそ1160兆円という、目もくらむ巨額だ。その"巨人"が動いた意味は、決して小さくない。

