
EUの暗号資産規制、DeFiより「現実資産のトークン化」を優先すべき=MiCA設計者
欧州連合(EU)は、分散型金融(DeFi)を「MiCA 2」とも呼ぶべき暗号資産規制の第2弾で縛りにかかるよりも、現実資産(RWA)やトークン化を含む、より広いデジタル資産の枠組みづくりに力を注ぐべきだ――。

欧州連合(EU)は、分散型金融(DeFi)を「MiCA 2」とも呼ぶべき暗号資産規制の第2弾で縛りにかかるよりも、現実資産(RWA)やトークン化を含む、より広いデジタル資産の枠組みづくりに力を注ぐべきだ――。
そう語ったのは、欧州委員会の顧問であるピーター・カーステンス氏だ。
欧州委員会は5月、暗号資産市場規則「MiCA」に関する公開協議を開始した。意見募集の期限は8月31日までとなっている。
「私は、MiCAがすでに時代遅れになったとは思っていません。これは私個人の見解ですが、重要なのはそこではありません。だからこそ、今回の協議を行っているのです」
カーステンス氏は、モナコで開かれた「WAIBサミット・モナコ2026」のファイヤーサイドチャットで、コインテレグラフにそう語った。
MiCAの設計に深く関わった人物の一人である同氏は、欧州委員会が現在進めている見直し期間中に寄せられる意見が、EUの次なる規制方針を形づくることになると説明した。
MiCAは7月1日に移行期間の終了を迎える。以降、暗号資産サービス提供業者はMiCAライセンスを取得するか、EU域内の顧客へのサービス提供を停止しなければならなくなる。
関連記事: EUで無許可の暗号資産取引所が営業停止へ 7月1日から新規制MiCAが本格始動
「EUはDeFiを規制する必要はない」MiCA設計者が語る
今回の協議では、分散型金融、すなわちDeFiプロトコルも、新たなリスク領域の一つとして検討対象に含まれている。もっとも、DeFiは現在のMiCAの適用範囲からはおおむね外れている。

An excerpt from the public consultation on the MiCA review. Source: European Commission
しかしカーステンス氏は、DeFiを規制することは容易ではないと指摘する。法律は人や組織に対して適用できるが、コンピューターネットワークそのものに直接適用することはできないからだ。もし実体を持たない存在を規制するのであれば、立法府は新たな法理を必要とする、というわけである。
さらに同氏は、DeFiを規制する必要性そのものにも疑問を呈した。DeFiは「代表者を持たない」「運動」のようなものだと表現したうえで、こう語っている。
「何が問題なのか、私には分かりません。問題がないのであれば、なぜ規制しなければならないのでしょうか」
一方で、欧州中央銀行(ECB)は3月に公表したワーキングペーパーで、分散型自律組織(DAO)が本当にMiCAの適用範囲外に置かれるほど分散化されているのか、疑問を投げかけていた。
同ペーパーは、アーベ、メーカーダオ、アンプルフォース、ユニスワップを分析。2022年11月と2023年5月時点の保有状況のスナップショットをもとに、各プロトコルで上位100人のガバナンストークン保有者が供給量の80%超を握っていたと指摘した。
著者らは、この結果について、DAOが本質的に分散化されていると言えるのか、そして「完全に分散化された」サービスとしてMiCA規制の外に置かれ続けるべきなのか、再考を迫るものだとしている。

