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Martin YoungライターJesse Coghlan監修編集者

イーサリアム強気派の米投資家、保有ETHを全売却 業界に波紋

最新ニュース公開日2026年5月28日

「イーサリアムは相応のETH価格を獲得した。ETHが資産として再評価されることは、上昇も下落も考えられない」とデビッド・ホフマン氏は述べている。

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の強力な擁護者として知られるメディア企業「バンクレス(Bankless)」の共同創業者、デビッド・ホフマン氏が、保有するすべてのETHを売却したことが明らかになった。同氏は「『ETHは通貨である』という投資テーマは概ね役割を終えた」との見方を示しており、業界内に波紋を呼んでいる。

ホフマン氏は26日(現地時間)、X(旧ツイッター)への投稿で「イーサリアムは現在、それにふさわしい価格水準にある。今後、ETHという資産が上方にも下方にも再評価(リレーティング)されることはないだろう」と言及した

■「通貨としてのETH」に限界

同氏はイーサリアムの将来性を声高に主張し、投資対象としての魅力を広く発信してきた代表的な人物の一人だ。イーサリアム自体は「驚異的な成功を収め、現在の時価総額に見合っている」と評価する一方で、「市場がETHを再評価する好機は去りつつある」と指摘した。

「ETHは通貨である」という投資テーマは、ETHが分散型であり、インフレ(新規トークン発行)を抑制する仕組みを持つことから、法定通貨を凌駕する価値保存手段になるという考えに基づいている。多くの支持者は数万ドルへの上昇を見込んでいたが、ETHは昨年8月に5000ドル(約80万円、1ドル=約160円換算)の節目手前で過去最高値を付けた後、伸び悩んでいる。現在は高値から約60%下落し、2000ドル(約32万円)前後で推移。価格は過去5年間にわたり、一定のレンジ内にとどまっている。

ETH prices have been largely range-bound for five years. Source: TradingView

■ 利益は第2層(レイヤー2)へ流出

ホフマン氏は先週、全保有分の売却を発表した(売却額は非公表)。その最大の理由として、イーサリアム本体が「利益を享受する側ではなく、提供する側」になっているという構造的な課題を挙げた。

同氏によると、イーサリアムは安全なブロックスペース(取引の記録領域)やトークン化の基盤を実質的な原価で提供している。一方で、手数料収益の大半や経済的恩恵は、処理速度を高める周辺技術である「レイヤー2(第2層)」のネットワークに吸収されているという。

「イーサリアムは提供する機能に対して一切のマージン(利幅)を乗せない。これこそがオープンソース・ソフトウエアの真髄であり強みだが、極めて重要な価値を世界に『原価』で提供してしまっている」と同氏は指摘する。

ホフマン氏はネットワークとしてのイーサリアムには引き続き「極めて強気」であり、今後も大いなる発展を遂げると予想している。しかし、その成功がETHのトークン価格に直接反映される部分は「ごくわずか」に過ぎないとの見立てだ。

■ 市場関係者の反応は二分

長年の強気派による異例の決断に、関係者の反応は分かれている。バンクレスの共同創業者であるライアン・ショーン・アダムス氏は「ひとつの時代の終わりだ」と感慨を込めた。

一方、元コア開発者のエリック・コナー氏は、ETHが「長年にわたり暗号資産市場全体のパフォーマンスを大幅に下回ってきた」として、ホフマン氏の判断に理解を示した。コナー氏は、低迷の要因はシステムの欠陥ではなく、初期の価格急騰で誕生した多数の富裕層による継続的な売り圧力にあると分析。「資産運用において、単一の銘柄に固執する(マキシマリズム)のは、結局のところ極めて愚かなことだ」と語っている。

※日本円換算は現在の為替レート(1ドル=約160円)を用いて算出しています。

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