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Ezra ReguerraライターYohan Yu監修編集者

ビットコインETFから約2760億円流出 暗号資産市場に広がる不安、コインシェアーズは「構造危機ではない」と分析

最新ニュース公開日2026年6月11日

コインシェアーズのジェームズ・バターフィル氏は、足元の暗号資産市場からの資金流出について、マクロ経済要因に突き動かされた「センチメント・ショック」だと指摘した。

暗号資産市場からの資金流出は、業界そのものの構造的な危機というより、投資家心理の急変を映したものだ――。デジタル資産運用会社コインシェアーズのリサーチ責任者、ジェームズ・バターフィル氏はこう見ている。

背景にあるのは、地政学リスク、金利見通しの変化、そして人工知能(AI)関連銘柄への資金シフトだ。これらが重なり、デジタル資産には逆風が吹いている。

バターフィル氏はコインテレグラフに寄せたコメントで、ここ数週間、デジタル資産投資商品から数十億ドル規模の資金が流出したことで、暗号資産市場のセンチメントは「劇的に悪化した」と指摘した。

「これは構造的な崩壊ではなく、純粋なセンチメント・ショックだ」

同氏はそう述べた。

さらにバターフィル氏は、今回の調整を主に地政学要因が引き起こしていると説明する。イラン情勢をめぐる不透明感が、金利見通しにも影を落としているという。これまで市場が期待していた利下げは後退し、むしろ金利上昇の可能性を織り込み始めている、と同氏はみる。

こうした発言は、米国のスポット・ビットコインETFから急速に資金が流出した直後に出たものだ。先週、同ETFからは約17億2000万ドル、約2760億円の純流出が記録された。

Spot Bitcoin ETF weekly flows data. Source: SoSoValue

ビットコインの反発は、なお脆い可能性

一方で、ビットコインの足元の反発については、回復を確認するにはまだ不十分だとみるアナリストもいる。

流動性企業ウィンセントのシニアディレクター、ポール・ハワード氏はコインテレグラフへのコメントで、先週の資金流出はマクロ経済ニュースに対する機関投資家の反応を反映したものだと述べた。さらに、テクノロジー株中心の市場全体に圧力がかかっていることは、リスク資産全般が広く緊張状態にあることを示しているという。

ハワード氏は、ビットコインが重要な移動平均線を下回ったことで、市場はより慎重な局面に入った可能性があると指摘した。加えて、CMEのビットコイン・ボラティリティが高止まりしていることから、今後もニュースに振らされる相場展開が続くとの見方を示した。同氏は、今回の反発が持続的なものになるかについては、なお慎重な姿勢を崩していない。

関連記事: アンソロピックの新AI「クロード・フェイブル5」とは 暗号資産ハッキング悪用に警戒感

暗号資産投資会社テッセラクト・グループの資産運用責任者、アダム・ヘームス氏は、市場の語り口の多くが、5月下旬にストラテジーが32BTCを売却したことに集中していたと指摘する。

しかし同氏によれば、この売却で調達された資金は約250万ドル、約4億円にとどまる。ビットコイン全体の下落を機械的に説明できるほどの規模ではない。

「ストラテジーは、企業による一方通行の買い需要のように扱われてきた。そのため売却は信頼を揺さぶった。しかし、それは下落を生んだ資金フローそのものではなく、シグナル・ショックだった」

ヘームス氏はそう述べた。

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