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Sam BourgiライターRobert Lakin監修編集者

「絶対売らない」はずのビットコインを売る?ストラテジーが最大12.5億ドル売却へ、暗号資産業界は選挙資金も爆積み

最新ニュース公開日2026年7月6日

ストラテジーがビットコイン売却を承認し、オープンUSDはUSDTとUSDCに挑む。フィデリティはビットコインの安全性を擁護し、暗号資産業界は2026年に向けて政治支出を加速させている。

何年ものあいだ、マイケル・セイラー氏率いるストラテジーは、実に単純な信条を掲げてブランドを築いてきた。

「ビットコインを買う。決して売らない」

だが今週、その物語が変わった。

同社は新たな資本フレームワークのもとで、最大12億5000万ドル(約2025億円)相当のビットコイン売却を承認した。現在価格で見れば、およそ2万1000BTCがいずれ市場に出てくる可能性がある計算だ。ビットコインに最も忠実な企業保有者でさえ、資本管理という現実からは逃れられない。そんな事実を突きつける一件である。

今週の「クリプト・ビズ」では、デジタル資産業界がより現実主義的な段階へ入りつつある様子を追う。理念の純度よりも、財務規律が優先され始めているのだ。あわせて、発行体が準備資産の利回りをめぐってしのぎを削るステーブルコイン競争、フィデリティによるビットコインの長期セキュリティモデル擁護、そして2026年の米中間選挙を前に強まる暗号資産業界の政治的影響力についても見ていく。

ストラテジー、配当・自社株買い原資として12億5000万ドル分のビットコイン売却を承認

ストラテジーは、新たな資本フレームワークのもとで、最大12億5000万ドル(約2025億円)相当のビットコイン売却を承認した。調達した資金は、株主配当、現金準備の積み増し、自社株買いに充てられる。一方で、長期的なビットコイン戦略は維持するという。

同社の新たな「デジタル・クレジット・キャピタル・フレームワーク」では、STRC優先株の年間配当利回りを11.5%から12%へ引き上げる。さらに、正式なビットコイン収益化プログラムを設け、優先証券やMSTR株の買い戻しを通じた資本還元策を拡充する。

ストラテジーはまた、専用の現金準備が25億5000万ドル(約4131億円)に増加したと明らかにした。これは、優先株の配当と利払いをおよそ17カ月分まかなえる水準だ。

今回の枠組みは、ストラテジーの資本配分が変化していることを映し出している。何年にもわたり「ビットコインは決して売らない」と言い続けてきた同社は、ついに正式な収益化プログラムを設け、6月には32BTCを売却したことも開示した。

ストラテジーは先週、ビットコインを購入していない。保有量は84万7363BTCのままだ。ビットコインを積み増す戦略と並行して、同社は流動性管理にもより重きを置き始めている。

Source: Michael Saylor

決済大手、新ステーブルコインでUSDT・USDCに挑む

140社を超える金融・暗号資産企業が結集し、米ドル裏付け型の新たなステーブルコインを立ち上げる。準備資産から生じる利回りを参加企業が保持できる仕組みで、業界でも最大級の共同ステーブルコイン構想となる。

「オープンUSD(OUSD)」プロジェクトには、ビザやマスターカードといった大手決済企業のほか、コインベース、リップル、OKX、バイビットなどの暗号資産企業が参加している。

従来型のステーブルコインモデルとは異なり、OUSDでは企業が手数料なし、発行量の制限なしでトークンを発行できる。そのうえ、準備資産から得られる収益を保持できる。支持者らは、この仕組みが既存勢力であるテザーのUSDt(USDT)やサークルのUSDC(USDC)から市場シェアを奪う助けになると見ている。

今回の立ち上げは、米国でGENIUS法が成立し、ステーブルコインに対する規制環境がより追い風になりつつあるなかで進められている。オープン・スタンダードは、今年後半にOUSDを展開する計画だ。

参入する市場の規模はすでに3000億ドル(約48兆6000億円)を超えている。多くのアナリストは、この市場が今後10年の残りの期間で急速に拡大すると見ている。

Source: Open Standard

フィデリティ「半減期でビットコインの長期安全性は脅かされない」

フィデリティ・デジタル・アセッツは、マイニング報酬の減少によってビットコインの長期的な安全性が弱まるとの見方に反論している。取引手数料の上昇、市場インセンティブ、そしてビットコイン価格の上昇が、今後もネットワークの安全性を支えるというのだ。

新たな調査レポートでフィデリティは、ビットコインの経済モデルはブロック報酬だけに依存しているわけではないと指摘した。半減期が重なることで、いずれマイナーのインセンティブが損なわれるという見方に異を唱えた形だ。

リサーチアナリストのダニエル・グレイ氏は、ブロック報酬が着実に減少してきた一方で、マイナーの1日あたり平均収益は2012〜2016年の130万ドル(約2億1000万円)から、現在では4020万ドル(約65億1000万円)へ増加していると説明した。

このレポートが出たのは、直近の半減期後、ビットコインマイナーが財務面での圧力に直面しているさなかである。上場マイニング企業の多くは、収益源を多様化するため、AIや高性能コンピューティング分野への進出を進めている。

それでもフィデリティは、ビットコインネットワークの長期的なセキュリティモデルはなお健在だとの立場を崩していない。

Source: Fidelity Digital Assets

暗号資産業界、2026年米選挙に1億8900万ドルを投入

消費者保護団体パブリック・シチズンの新たな報告書によれば、暗号資産企業は2026年の米選挙サイクルにおよそ1億8900万ドル(約306億円)を拠出している。これは、現時点での企業による政治支出全体の推定37%にあたる。

報告書によると、暗号資産業界の政治的影響力を再び牽引しているのは、業界支援の政治活動委員会(PAC)だ。フェアシェイクは今サイクルで8200万ドル(約133億円)超を支出している。一方、クリプト・ドットコムが大きく支援する親トランプ系のMAGA Inc.スーパーPACは、5600万ドル(約91億円)超を投じている。

パブリック・シチズンは、これらの団体が2024年と同じ戦略を取っていると指摘する。つまり、民主・共和の二大政党を問わず、業界の政策アジェンダを支持する候補者を支援するというやり方だ。

暗号資産業界の政治支出は、すでに2024年選挙サイクルの約1億7000万ドル(約275億円)を上回っている。しかも、11月の選挙までまだ4カ月以上を残している。

Source: Public Citizen

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