
メタマスク運営「コンセンシス」がまさかの"北朝鮮ハッカー"を雇っていた!約1カ月もシステムに侵入許す大失態
暗号資産ウォレット「メタマスク」で知られる名門ブロックチェーン企業が、"信頼できる第三者"の紹介で採用した技術者が、まさかの北朝鮮工作員だった――。製品リリースを緊急停止し、社内調査に追い込まれた前代未聞のセキュリティ事故の全貌。

あろうことか、北朝鮮とつながる人物に、自社システムへのアクセス権を約1カ月ものあいだ握られていた――。ブロックチェーン業界の名門企業「コンセンシス」が、まさかの大失態を演じていたことが明らかになった。
この一件を最初に報じたのは、独立系メディア「ドロップ・サイト」。同社の報道によれば、コンセンシスは今年(二〇二六年)、「タイラー・ナップ」なる偽名を使うソフトウェア技術者を受け入れていた。ところがこの人物、のちの調査で北朝鮮――正式名称・朝鮮民主主義人民共和国――とのつながりが判明したというのだ。事態を重く見た同社は、製品リリースを一時的に停止し、緊急の社内調査に乗り出す羽目になった。
コンセンシスの法務責任者、マット・コーヴァ氏はコインテレグラフの取材に対し、苦しい胸の内を明かす。
「『ナップ』は、信頼できる第三者のサービス提供業者との既存の関係を通じて我々に紹介され、コンサルタントとしてコンセンシスに協力していました。彼を正社員として雇ったことは一度もありません。紹介されたのち、ごく短期間のうちに我々は脅威を察知し、セキュリティ手順に従って直ちにあらゆるアクセス権を停止、徹底的な調査に着手しました。その結果、資産やデータの不正流用も、悪意あるコードの埋め込みも、ユーザーの安全・セキュリティへの影響も一切なかったことが確認されています」
もっとも、これは氷山の一角に過ぎない。近年、北朝鮮のハッキング集団が、デジタル資産を扱う企業を狙い撃ちにする手口が横行しているのだ。彼らは技術者に偽の雇用オファーを送りつけ、あるいは自らコードにアクセスできる職に応募し、まんまと内部へ潜り込む。今回の一件も、そうした一連の攻撃の最新事例というわけである。
コーヴァ氏は、エンジニアリングや開発業務の外注について、社内の慣行を見直す考えを示している。

