
Circle、国際送金のTazapayを約614億円で買収へ USDC決済網をアジア・新興国に拡大
USDC発行企業のサークルが、シンガポール拠点のクロスボーダー決済企業Tazapayを株式交換で買収する。Tazapayの年間決済額は約3.8兆円規模に達しており、サークルはUSDCを国際商取引の標準的な決済レールに押し上げたい考えだ。

USDCを発行するサークルが、シンガポールを拠点とするクロスボーダー決済プラットフォームのTazapayを買収することで合意した。買収額は4億ドル、約614億円。全額を株式で支払う取引で、2027年中の完了を見込んでいる。
米証券取引委員会(SEC)への提出書類によれば、サークルはクラスA普通株で対価を支払う。最終的な買収価格は、Tazapayの債務、取引費用、保有現金などを踏まえて調整される。
サークルは火曜日の発表で、取引の完了には通常のクロージング条件に加え、シンガポール金融管理局(MAS)の承認が必要になると説明した。
Tazapayの年間決済取扱高は250億ドル、約3兆8400億円を超える。60社以上の銀行・フィンテック企業と提携し、100を超える市場で現地の支払いレールを提供している。同社は2025年8月時点で、年間決済取扱高が100億ドル、約1兆5400億円を超えたと発表していた。
サークルはこれまでにも、投資部門のサークル・ベンチャーズを通じてTazapayに出資してきた。2025年8月のシリーズBラウンドにも参加している。Tracxnのデータによれば、Tazapayはこれまで5回の資金調達ラウンドで計5790万ドル、約89億円を調達している。
サークルによると、Tazapayの取引量の約60%はステーブルコインが占める。今回の買収によって、サークルはアジア太平洋地域や新興国市場との間で、資金をより柔軟に送受金できる体制を広げる狙いだ。
サークルの決済部門シニア・バイスプレジデントであるイルファン・ガンチ氏は、今回の買収について次のように述べた。
「この買収により、サークルは世界中でほぼ即時かつ24時間365日、決済を開始・完了する能力を高めることになる。これは、USDCをクロスボーダー商取引における標準的な決済レールにするうえで、重要な一歩だ」
Tazapayは2025年以降、サークル・ペイメンツ・ネットワークの設計パートナーを務めてきた。サークルは、Tazapayの顧客について、サービス、API、価格、サポートに影響は出ないとしている。
一方、市場の反応はやや冷ややかだった。Yahoo Financeによれば、ニューヨーク証券取引所に上場するサークル(CRCL)の株価は、火曜日のプレマーケット取引で一時2%超下落していた。

