
スポーツ賭博は「金融商品」になるのか CFTC新ルールでカルシとポリマーケットに追い風
規則案は、選挙市場を存続させる一方で、スポーツを対象にした多くの予測契約も認める内容となっている。ただし、八百長や不正操作を誘発しかねない賭けについては、一定の歯止めをかける構えだ。

米商品先物取引委員会(CFTC)が、いわゆる「予測市場」をめぐる新たな規則案を示した。焦点となったのは、スポーツや選挙の結果を対象にしたイベント契約である。
CFTCが水曜日に公表した案では、スポーツ関連のイベント契約について、連邦法上は「ゲーミング」、つまり賭博に分類されるものの、一般的には「公益に反する」とまでは言えないとの考え方が示された。ロイターも、CFTCがスポーツの勝敗やスコアを対象にした契約について、価格発見機能や有用な情報を提供し得ると位置づけたと報じている。
ただし、何でも許されるわけではない。
提案は、スポーツの勝敗や最終スコア、シーズン成績といった集計的な結果に基づく市場と、純粋な偶然に左右されるゲームを区別している。前者については価格形成に資する可能性がある一方、選手の負傷、審判の判定、あるいは不正操作を誘発しかねない結果に連動する契約は、公益性の審査を通過しにくいとした。
選挙契約についても、CFTCは一線を引いた。今回の案では、選挙を対象にした契約は関連する連邦法上の「ゲーミング」には当たらないと明確化している。これにより、2024年の米大統領選で一躍存在感を高めたカルシやポリマーケットのような予測市場プラットフォームにとって、規制上の不透明感がさらに薄れる可能性がある。
規則案は45日間、パブリックコメントに付される。米国の予測市場が今後どのような規制枠組みに収まるのか。その輪郭を決める重要な一歩になりそうだ。
ニューヨークの法律事務所カヒル・ゴードン&ラインデルのパートナー、ゲイリー・カルボー氏は、この案について「包括的な承認」ではなく、原則ベースの整理だと指摘する。各契約はなお、個別に公益性を審査されるというわけだ。
カルボー氏は水曜日、こう記した。
「『ゲーミング』は予想より広く定義されており、スポーツイベントも含まれる。最終スコア、勝敗、シーズン成績といった集計結果で決済される契約は、原則として認められる」

Source: Gary Kalbaugh
規制の霧が晴れるなか、予測市場は急拡大
今回の規則案が出てきた背景には、予測市場の急速な普及がある。規則案の中では、予測市場はひとつの「資産クラス」とも表現されている。カルシとポリマーケットは、投資家や機関投資家の関心を集め、評価額が数十億ドル、すなわち日本円で数千億円規模に達している。
両社は、従来型の金融市場との接点も強めている。
カルシは最近、ナスダックと提携した。新規株式公開、つまりIPOを控えた未上場企業の将来評価額を予測できる新カテゴリーの予測市場を立ち上げるためだ。
一方のポリマーケットは、ダウ・ジョーンズと組んだ。ウォール・ストリート・ジャーナルを含む同社のメディアブランドに、リアルタイムの予測市場データを組み込む狙いである。
ジョージタウン大学ローセンターでスポーツ法と企業金融を教えるメリンダ・ロス教授は、こう語る。
「予測市場は、報道機関との新たな提携や、この分野へ急速に参入する企業の増加によって、ますます主流になりつつあります」
だが、核心的な問いはまだ残っている。
「イベント契約は金融商品なのか。それとも単なるギャンブルなのか」
この問いに、規制当局がどこまで明確な答えを出せるのか。今回のCFTC案は、その試金石となる。
バーンスタインのアナリストらによれば、予測市場は機関投資家の間でも利用が広がっている。投資家が、二者択一型の契約を通じて、マクロ経済リスクをヘッジする代替手段を探しているためだ。
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