
ビットコイン暴落警戒が再燃 オプション投資家は「下落保険」に殺到、ストラテジー危機説はまだ織り込まず
アンカレッジ・デジタルの最新分析によれば、ビットコインのオプション投資家は、目先の不透明感が拭えないなかでなお守りの姿勢を崩していない。ただし市場は、ストラテジーに対して極端な下落シナリオまでは織り込んでいない。

ビットコイン市場に、まだ晴れ間は見えていないようだ。
アンカレッジ・デジタルのリサーチ責任者、デイビッド・ローワント氏による最新分析によれば、ビットコインのオプション取引では、暗号資産ネイティブの投資家だけでなく、ETF投資家の間でも、下落に備えるヘッジ需要が高止まりしているという。
今回のレポートは、デリビット、ブラックロックの「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」、そしてストラテジー(MSTR)の3市場におけるオプション取引を分析したものだ。アンカレッジは、この3つを合わせて見ることで、暗号資産ネイティブ勢、機関投資家、個人投資家の心理を、単一市場を見るよりも広く把握できるとしている。
デリビットとIBITのオプション市場では、ともにプット・スキューが高まっていた。つまり、投資家はさらなる上昇を狙うよりも、下落リスクへの保険にプレミアムを支払っているということだ。
レポートによれば、IBIT市場における防御的なポジションは、過去の分布で82パーセンタイルに位置し、デリビットの過去5年の履歴でも84パーセンタイルに達している。平たく言えば、かなり警戒色の強い水準ということになる。
さらにアンカレッジは、2026年のビットコイン・オプション市場では、1週間先のインプライド・ボラティリティが1カ月先を上回る状態が、ほぼ半分の期間で続いていたと指摘する。通常であれば、こうした逆転現象は一時的なものにとどまる。
だが今年は、マクロ経済、地政学リスク、暗号資産業界固有の材料が次々と市場を揺さぶり、投資家の視線を「遠い先」ではなく「目先のリスク」に釘付けにしてきた。

Bitcoin options 30-day/7-day implied volatility ratio. Source: Anchorage Digital report
これらを総合すると、オプション投資家は明確な方向感に賭けるよりも、短期リスクの管理に意識を集中させていることがうかがえる。
ローワント氏は、今後注視すべきポイントとして、1カ月物のインプライド・ボラティリティが再び1週間物を上回るかどうかを挙げている。もしそうなれば、市場が目先の不安から距離を置き、より先を見通せる状態に戻りつつあるサインになるという。
オプション市場は「ストラテジー危機」をまだ織り込まず
一方で、アンカレッジの分析は、投資家が慎重姿勢を崩していないとはいえ、ストラテジーに深刻な下落シナリオを織り込んでいるわけではないことも示している。
ストラテジーの永久優先株「STRC」は6月22日、一時82.53ドル、円換算で約1万3300円まで下落した。これは額面100ドル、約1万6200円をおよそ17%下回る水準だ。
その後、同社が法定通貨準備を13億ドル、約2101億円まで積み増したと開示したことで一部回復したが、木曜日時点では77ドル前後、約1万2400円で取引されていた。額面を約23%下回る水準である。
弱さはSTRCに限らない。ヤフー・ファイナンスのデータによれば、ストラテジーの普通株(MSTR)は過去1年で約78%下落し、木曜日には87ドル前後、約1万4100円で取引されていた。

Strategy stock. Source: Yahoo Finance
それでもアンカレッジによれば、ストラテジーのオプション市場は、過去の市場調整局面で見られたようなストレス水準を大きく下回っている。
投資家は引き続き下落リスクに備えているものの、プット・スキューは、強制的なレバレッジ解消やより広範な危機への懸念を示すような水準には達していないという。
ストラテジーは、エグゼクティブ・チェアマンのマイケル・セイラー氏が率いる企業だ。2020年に企業財務としてビットコインを保有するモデルを切り開き、現在も世界最大の企業ビットコイン保有者である。
同社のバランスシート上のビットコイン保有量は84万7363BTCにのぼる。

30-day risk reversals in Strategy (MSTR) options markets. Source: Anchorage Digital report
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