
バイナンス、EU撤退の危機 MiCAライセンス却下なら7月からサービス停止も
EUライセンス却下報道に、バイナンスは正面から反論しなかった。だが同社は、認可の遅れで欧州事業が足止めされれば、「流動性の低下」を招き、競争や利用者の選択肢にも影を落としかねないと危機感をにじませた。

暗号資産取引所バイナンスが、欧州連合(EU)の暗号資産市場規制「MiCA(ミカ)」に基づくライセンス申請をめぐり、揺れている。申請は現在審査中だが、同社は、欧州域内での認可業務が危うくなっているとの報道について、明確な反論を避けている。
バイナンスは火曜日のブログ投稿で、MiCAの監督を担う規制当局の一つであるギリシャ資本市場委員会(HCMC)が、同社の申請審査を完了し、「MiCAの要件に適合している」と判断したと説明した。ただし、最終的には欧州証券市場監督機構(ESMA)での確認が必要だとしている。
この投稿が出たのは、ロイターが「EU規制当局がバイナンスのライセンス申請を却下する準備を進めている」と報じた数時間後のことだった。もし事実なら、バイナンスはEU居住者向けサービスの提供を断たれる可能性がある。
「バイナンスは、欧州で他のどの暗号資産取引所よりも多くのユーザーにサービスを提供している。MiCA取得への道筋に遅れや歪みが生じれば、その影響はバイナンス一社にとどまらない」
同社はそう主張する。
「流動性を弱め、競争とユーザーの選択肢を減らし、活動、雇用、投資、税収をEU域外へ押し出すリスクがある」

Source: Binance
MiCAの枠組みでは、EU内で事業を展開する企業は、居住者向けにサービスを提供し続けるため、6月末までに承認を得る必要がある。仮にバイナンスのHCMCへの申請が却下されれば、同社は7月1日以降、EU域内で合法的に営業することが難しくなる。
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バイナンスの広報担当者はコインテレグラフに対し、ESMAが「今後の理事会でライセンス手続きを進め、認可に向けて動く」と見込んでいると述べた。
同社はロイター報道について、追加の説明を求める取材にはすぐには応じなかった。ただしブログ投稿では、MiCA申請の期限である6月30日までに、ユーザーへ最新情報を知らせるとしている。
バイナンスは今年1月、ギリシャのHCMCを通じてMiCAライセンスを申請した。期限が数週間後に迫るなか、ドイツやオランダを含む複数の規制当局は、MiCA対応を目指す暗号資産企業にすでにライセンスを付与している。
バイナンス、米当局の監視下にも
バイナンスをめぐっては、米国当局の監視も続いている。
2023年、バイナンスは米当局と合意し、当時CEOだったチャンポン・ジャオ氏が退任。ジャオ氏は重罪1件について有罪を認めた。また同社は、米財務省および米司法省との間で43億ドル、約6,900億円の和解金を支払うことに同意し、監視プログラムに従うことになった。
さらに、米国・イスラエルとイランをめぐる戦争のさなか、同取引所が制裁対象の団体に10億ドル、約1,600億円の資金移動を可能にしたとの報道も浮上している。これを受け、米議員らはバイナンスのコンプライアンス体制について説明を求め、圧力を強めている。

