
ジーキャッシュ急騰、2016年以来の高値に 時価総額は3兆円突破、プライバシー需要が再燃
プライバシー重視の暗号資産ジーキャッシュ(ZEC)が急騰している。価格は一時約19万3000円に達し、時価総額は200億ドル、約3兆円を突破した。グレースケールのETF化を追い風に、金融取引の匿名性をめぐる需要が再び市場の焦点となっている。

プライバシー機能を売りにする暗号資産ジーキャッシュ(ZEC)が、2016年以来の高値に駆け上がった。今回の急騰で、時価総額は200億ドル、円換算で約3兆900億円を突破している。
コインゲッコーのデータによれば、ZECは月曜日に一時1249.28ドル、約19万3000円まで上昇。その後は1195ドル前後、約18万5000円まで押し戻されたものの、過去1週間で約45%、過去30日間では138%という派手な上昇を見せている。
もっとも、ジーキャッシュはまだ「上場直後の狂騒」には届いていない。コインゲッコーによれば、過去最高値は2016年10月28日に記録した3191.93ドル、約49万3000円。当時は市場に出回るトークン供給量がごく限られていたこともあり、価格が極端に跳ね上がった経緯がある。
ジーキャッシュの特徴は、ユーザーが通常の公開取引と「シールド取引」を選べる点にある。シールド取引ではゼロ知識証明を使い、送金者、受取人、取引額を外部に明かすことなく、支払いの正当性を検証できる。
この機能が、再び市場で脚光を浴びている。グレースケールのリサーチ責任者ザック・パンドル氏は、8月31日の分析レポートで「プライバシーを重視するユーザーにとって、これは“必須機能”になり得る」と指摘した。
パンドル氏はさらに、AIの普及が金融プライバシーへの需要を高める可能性があるとみる。AIによって、公開ブロックチェーン上の取引履歴と個人の身元を結びつける作業が、より容易になるためだ。
今回のZEC急騰の背景には、グレースケールの動きもある。同社は既存のジーキャッシュ・トラストを上場投資信託(ETF)へ転換した。この商品はティッカー「ZCSH」で、8月25日からNYSE Arcaで取引を開始している。これにより投資家は、証券口座を通じてZECへのエクスポージャーを得られるようになった。
ファンド公式サイトによれば、ZCSHは金曜日の取引を1株83.77ドル、約1万2900円で終えた。運用資産残高は4億6320万ドル、約716億円に達している。なお、米国市場は月曜日、レイバーデーの祝日のため休場となっている。

