
XRP、取引所への流入が7カ月ぶり高水準に 大口投資家「クジラ」は買い控え、価格への影響は?
XRPの取引所への流入量が過去30日間で60億枚を突破し、7カ月ぶりの高水準となった。一方、大口投資家による取引所からの引き出し額は約5年ぶりの低水準に落ち込んでいる。専門家は、クジラの買い意欲が低下している可能性を指摘する。

XRPの取引所への流入量が急増している。過去30日間に取引所へ送金されたXRPは60億枚を超え、7カ月ぶりの高水準に達した。
しかし、その裏では気になる動きも起きている。市場に大きな影響力を持つ大口投資家、通称「クジラ」の活動が著しく鈍化しているのだ。
今回のオンチェーンデータからは、次の3つの動きが浮かび上がっている。
- 10月19日時点の過去30日間のXRP取引所流入量は約60億枚に達し、7カ月ぶりの高水準を記録した。
- クジラによる取引所からの流出額(90日移動平均)は4970万ドル(約79億円)まで減少し、約5年ぶりの低水準となった。アナリストはXRP/USDT市場で大口投資家の関心が薄れていると分析している。
- 実現損益比率は10月に41%低下。価格が一定の範囲で上下する「レンジ相場」が続くなか、投資家の利益確定の動きも鈍っている。
XRPが取引所に大量流入、その一方で「クジラ」は姿を消す
オンチェーン分析プラットフォームのクリプトクアント(CryptoQuant)が発表した最新の分析によると、XRPの取引所への流入量は、過去30日間の累計で今年3月以来の高水準に達した。
10月19日までの30日間に取引所へ流入したXRPは合計60億5000万枚。8月中旬と比較すると、流入量は約2倍に膨らんでいる。
この間、XRP価格は約1ドル(約158円)から一時1.70ドル(約269円)まで上昇したものの、その後は調整局面に入り、記事執筆時点では1.30ドル(約206円)前後で推移していた。
クリプトクアントは、今回の動きについて次のように説明している。
「取引所への流入量が60億XRPを超え、7カ月ぶりの高水準に達したことは、資産の移動先が取引所へと明確に変化していることを示している。取引活動の活発化や取引所の流動性向上を反映している可能性があるほか、ウォレットと取引所の間でXRPの移動が増えていることも考えられる」

XRP exchange inflows (screenshot). Source: CryptoQuant
ただし、取引所への資金流入が増えたからといって、必ずしも売却が増えているとは限らない。取引所間やウォレット間の資産移動など、複数の要因が考えられるためだ。
むしろ注目すべきは、大口投資家の動向かもしれない。
クリプトクアントが公表した別の分析では、クジラによる取引所からのXRP引き出しが大幅に減少していることが明らかになった。
同社は、XRPが大口投資家から「ますます関心を集めなくなっている」と指摘。巨額の資金を動かす投資家たちは、より有利な価格で購入できる機会を待っている可能性があるという。
実際、クジラによる取引所からの流出額を示す90日移動平均は、2025年2月に35億ドル(約5537億円)のピークを記録した。
これはXRPが史上最高値となる3.40ドル(約538円)をつけた直後のことだった。
ところが、その後は一転して減少が続き、現在は4970万ドル(約79億円)にまで縮小。ピーク時からの減少率は実に98.6%に達している。
この水準は2021年10月以来、約5年ぶりの低さだ。
クリプトクアントは、2026年の暗号資産弱気相場においてXRPが「顕著な底堅さ」を見せていることを認めつつも、次のように警鐘を鳴らしている。
「長期的な視点で見れば、クジラの支えがなければ、XRPは十分な買い需要を確保できなくなる可能性がある」

XRP whale exchange outflows (screenshot). Source: CryptoQuant
ビットコインも様子見ムード、利益確定の売りが減少
こうした投資家の慎重姿勢は、XRPだけに限った話ではない。
ビットコイン(BTC)市場でも、投資家が積極的な売買を控える動きが広がっている。
オンチェーンデータによると、10月のビットコイン価格は8万ドル(約1266万円)から8万7000ドル(約1377万円)の間で推移。一定の価格帯にとどまるレンジ相場が続いている。
暗号資産分析企業のグラスノード(Glassnode)が月曜日に公開した最新の「マーケット・パルス」によると、ビットコイン投資家による利益確定の動きも弱まっている。
実際に売却して確定した利益と損失の比率を示す「実現損益比率」は、過去1週間で0.8から0.4へと低下。50%の減少となった。
この指標の低下は、損失確定に対して利益確定の規模が相対的に縮小していることを意味する。
グラスノードは、こうした変化について次のように分析している。
「オンチェーン上で損失を確定する動きと比較して、利益確定の活動が鈍化している。これは市場心理がより慎重な方向へと移行し、市場参加者による積極的な資産移動が減少していることを浮き彫りにしている」
XRPでは取引所への流入が急増する一方、クジラによる引き出しは約5年ぶりの低水準に落ち込んだ。ビットコインでも利益確定の動きが弱まっている。
暗号資産市場では、大口投資家を含む市場参加者の慎重な姿勢が鮮明になりつつある。

Bitcoin realized profit/loss ratio (screenshot). Source: Glassnode

