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Ezra ReguerraライターYohan Yu監修編集者

ハイパーリキッドのSKハイニックス先物で価格異常、清算されたトレーダーに運営が補償へ

マーケット公開日2026年7月29日

ハイパーリキッド上の無期限先物「SKHYNIX」で、マーク価格が突如18万円台から15万円台へと真っ逆さま。なすすべもなく清算(ロスカット)に追い込まれたトレーダーが続出した。運営のトレードXYZは「一度限りの裁量判断」として、まさかの損失補償に踏み切ったのである——。

たった数秒の出来事だった。

暗号資産デリバティブの世界に、またしても"異変"が走った。ハイパーリキッド(Hyperliquid)上でオンチェーンの無期限先物市場を運営するトレードXYZ(Trade.xyz)は、韓国の半導体大手・SKハイニックス(SK Hynix)に連動する契約を突如襲った"価格の異常"を受け、対象となる清算損失を補償すると発表した。SKハイニックスといえば、AI向けの広帯域メモリー(HBM)を手がける、いま世界で最も注目される銘柄のひとつである。

トレードXYZによれば、問題の「SKHYNIX」契約のマーク価格は、月曜23時01分(UTC)、突如として1127.90ドル(約18万4700円)から917.25ドル(約15万円)へと急落した。複数の独立系データ提供業者が、ある約定取引をそのまま伝えたことが引き金だったという。実に3万4000円あまり、率にして約2割が一瞬で吹き飛んだ計算だ。補償の対象条件は近く公表され、分配はここ数日のうちに行われる見込みだという。

このSKハイニックス契約、ただの脇役ではない。ハイパーリキッドでも屈指の"人気市場"なのだ。水曜時点のハイパーリキッドのデータによれば、本稿執筆時点で同契約の24時間取引高は15億ドル(約2457億円)超、未決済建玉(オープンインタレスト)は6億ドル(約983億円)近くにまで膨れ上がっていた。

では、運営側はどう釈明したのか。トレードXYZは、自社のオラクル(価格参照の仕組み)が韓国のプレマーケットの主要な外部取引所を追跡しており、「仕様どおり、意図した通りに機能していた」と主張した。そのうえでトレーダーたちの不満は認めつつ、今回の補償を「一度限りの裁量判断」と位置づけ、極端な相場変動時に価格がどう形成されるのかを検証すると付け加えた。

もっとも、肝心の"数字"は明かされていない。何人のトレーダーが補償対象になるのか、総額いくらを配る想定なのか——その核心について、プラットフォーム側は口を固く閉ざしたままなのである。

SK Hynix trading chart. Source: Hyperliquid

「異常値」はいかにして無期限市場へ流れ込んだのか

トレードXYZの説明はこうだ。今回の急変動は、自社の板(オーダーブック)ではなく、外部市場で成立したある約定取引に端を発していた。

同社の資料によれば、SKハイニックスのオラクルは、その裏付けとなる韓国ウォン建て価格を、その時々の為替レートで換算し、「SKHX」普通株1株あたりのドル価値を追跡する仕組みになっている。ところが、この外部で刻まれた"異常な値"がオラクルに流れ込み、契約のマーク価格を大きく動かしてしまった、というわけだ。

ここが恐ろしいところである。ハイパーリキッドは、このマーク価格を証拠金評価に用い、レバレッジをかけたポジションをいつ清算するかの判断材料にしている。つまり、たった一件の外部の"異常値"が、多くのトレーダーの命運を握っていたのだ。

事態を重く見たトレードXYZは、いまや十分な流動性と相場のシグナルを備えているとする自社の板で形成された価格に、より大きな比重を置くことを検討していると明かした。

このトレードXYZ、ハイパーリキッドの「HIP-3」フレームワークのもとで運営されている。これは、開発者(ビルダー)が外部の価格フィードに連動する無期限契約を立ち上げることを認める仕組みだ。

その存在感たるや圧倒的で、HIP-3の累計取引高が最初の250億ドル(約4兆1000億円)に達した時点で、実にそのうち220億ドル(約3兆6000億円)超を同社が叩き出していた。さらにその後には、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのデータを用いた、正式ライセンス付きの「S&P500」無期限先物まで立ち上げているのである。

この記事はCointelegraphの編集方針に従って作成されており、情報提供のみを目的としています。投資アドバイスや推奨を構成するものではありません。すべての投資および取引にはリスクが伴います。読者は独自に調査を行うことを推奨します。

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