
ビットコイン再び7万7000ドル割れ 「需要」がマイナス転換、円急騰とアジア株安も市場を直撃
ビットコインは一時7万6400ドル(約1211万円)まで下落した。米国の現物ビットコインETFから2億3600万ドル(約374億円)が流出するなか、オンチェーン上の「見かけの需要」も再びマイナス圏へ。さらにドル円が158.5円まで急落し、為替介入観測が浮上。韓国や日本を中心にアジア株も大幅安となり、リスク資産への逆風が強まっている。

ビットコイン(BTC)は水曜日、欧州時間序盤に売り込まれ、コインゲッコーのデータによると、一時7万6400ドル(約1211万円)まで下落した。
ポイントは3つだ。
・ビットコインの「見かけの需要」を示す指標が再びマイナスに転じ、BTC価格は一時7万6400ドルまで下落。その後7万7000ドル(約1220万円)を回復した。
・ドル円は158.5円まで急落。市場では、再び円買い介入が実施されたのではないかとの観測が広がった。
・アジア株も急落。韓国総合株価指数(KOSPI)は4.0%安の6562.72、日本の日経平均株価は2.9%安の6万4325.64まで下落した。
ビットコインの「需要」が再びマイナス転換
今回のBTC下落に先立ち、米国の現物ビットコイン上場投資信託(ETF)からは前日、2億3600万ドル(約374億円)が流出していた。
さらにクリプトクアントのデータでは、8月の上昇局面で一時的に持ち直していたビットコインの「見かけの需要(apparent demand)」が、再びマイナスに転じている。

Bitcoin price and apparent demand, 30-day change. Source: CryptoQuant
この指標は、商品市場で使われる同種の指標を参考にしたもので、新たにマイニングされたBTCの供給量と、長期間動いていなかったBTCの供給変化との差を測定する。
需要がプラスの場合、これまで眠っていた古いBTCが再び動き始め、それと新規発行分のBTCを市場が吸収していることを意味する。つまり、現物市場で活発な買い需要が存在していると解釈できる。
逆にマイナスの場合は、マイナーによる新規発行よりも速いペースでBTCが動かなくなり、長期保有状態へ移行していることを示す。
執筆時点でBTCは7万7000ドルを回復したものの、Cointelegraphがこれまで報じてきた複数の強力なレジスタンスが集中する価格帯を依然として下回っている。
債券安は一服、それでもドル円に「不自然な値動き」
Cointelegraphが月曜日に報じた世界的な債券売りは、米10年債利回りが一時4.8%を下回ったことで、やや落ち着きを見せた。
ところがUTC13時ごろ、ドル円相場で市場関係者の目を引く動きが起きた。
ドル円は急激に下落し、一時158.5円をつけたのだ。
市場関係者の間では、この不自然な値動きを「再び中央銀行による為替介入が入った可能性がある」とみる声が広がった。
ドル円にとって160円は心理的な節目であり、日本銀行や日本当局が防衛ラインとして意識している水準だと広く考えられている。
執筆時点では、為替介入に関する公式発表は出ていない。

USD/JPY trading pair one-day chart. Source: TradingView
韓国株4%安、日経平均も急落 AI関連株に売り
アジア株も大きく崩れた。
背景には原油価格の急騰に加え、AI関連銘柄を中心とした利益確定売りがさらに広がったことがあるとみられる。
下落を主導したのは韓国だ。
KOSPIは4.0%安の6562.72で取引を終えた。半導体大手のSKハイニックスは4%安、サムスン電子は4.7%安となった。
日本の日経平均株価も2.9%安の6万4325.64まで下落した。
中でも、OpenAIに出資するソフトバンクグループなどの大型テクノロジー株が相場の重しとなった。
台湾加権指数(TAIEX)も1.7%下落し、アジア市場全体で売りが広がった格好だ。
Cointelegraphは7月、米国のAI投資ブームにも最初の「ひび」が入り始めていると報じている。ハイパースケーラー企業の信用スプレッドが大幅に拡大し、AI関連企業の債務リスクに対する警戒感が強まりつつあった。
ビットコインにとって問題なのは、暗号資産市場だけが売られているわけではないことだ。
ETFからの資金流出、オンチェーン需要の悪化、アジア株の急落、そして為替市場の不安定化。複数の悪材料が同時に重なるなか、7万7000ドルを維持できるかが当面の焦点となりそうだ。

