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Helen PartzライターYohan Yu監修編集者

ビットコインETFに1日333億円の資金逆流入 「コールドカード」205億円ハッキングで“自己管理神話”に激震

マーケット公開日2026年8月6日

米国上場のビットコイン現物ETFに、まさかの資金舞い戻り。裏では人気ハードウェアウォレット「コールドカード」から205億円規模とみられる暗号資産が消えていた。「自分の資産は自分で守る」が絶対正義だった業界に、いま静かな地殻変動が起きている。

米国に上場するビットコイン現物ETF(上場投資信託)に、資金が続々と舞い戻ってきている。きっかけは皮肉にも、暗号資産業界を揺るがす大型ハッキング事件だった。

調査会社SoSoValueのデータによれば、ビットコイン現物ETF全体への純流入額は火曜日に2億1150万ドル(約333.5億円)。月曜日の1億7000万ドル(約268.1億円)に続く、2日連続の大型流入となった。

この資金回帰の裏で起きていたのが、ハードウェアウォレット「コールドカード」をめぐる大規模ハッキング事件だ。暗号資産投資会社ギャラクシー・デジタルの調査部門「ギャラクシー・リサーチ」の試算では、被害は最大7300アドレスに及び、流出したビットコイン(BTC)の総額は約1億3000万ドル(約205億円)にのぼるとみられている

「他人に資産を預けるなんてダサい」――そんな自己管理至上主義が支配してきた暗号資産業界で、いま改めて問われているのが「規制された金融商品を通じた機関投資家向けカストディ(資産管理)の方が、実は安全なのではないか」という、これまでタブー気味だった論点だ。

主役はブラックロックとフィデリティ、無名ETFにも“ご祝儀相場”

資金調査会社Farside Investorsのデータによると、ETF資金回帰を牽引したのはやはり最大手だった。

ブラックロックの「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」は月曜日に1億1100万ドル(約175.0億円)、火曜日には1億7000万ドル(約268.1億円)の流入を記録。フィデリティの「ワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド(FBTC)」もこれに続き、月曜日に約3300万ドル(約52.0億円)、火曜日には約2000万ドル(約31.5億円)を集めた。

地味な存在だったインベスコ・ギャラクシー・ビットコインETF(BTCO)にも動きがあった。月曜日の流入額は670万ドル(約10.6億円)。これは7月1日以来、実に約1カ月ぶりのプラス転換で、BTCOの累計純流入額1億7200万ドル(約271.2億円)の約3.9%に相当する規模だという。

Source: Galaxy Research

「バグ」が「機能」に変わる日――アナリストが指摘する皮肉

ブルームバーグ・インテリジェンスのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は、今回のコールドカード事件がビットコインETFへの資金流入をさらに後押しする可能性があると分析する。

同氏が火曜日に投稿したコメントを要約すると――ETFが伝統的な金融機関に資産保管を任せている点は、一部の暗号資産ネイティブからは長らく「欠点」扱いされてきた。しかし、名もなき暗号資産企業と機関投資家向けカストディアンを比較したとき、その「欠点」は突如として「強み」に見えてくる、という趣旨だ。

バルチュナス氏はあわせて、ETF市場そのものの地殻変動にも言及。資産運用会社ハシュデックスのビットコイン現物ETFが閉鎖されたことや、ブラックロックがイーサリアムETFで株式併合(リバース・スプリット)を計画していることにも触れている。

ビットコインは1011万円台で足踏み、セイラー氏はまたも売却

肝心のビットコイン相場は、コールドカード事件の余波と、別の売り圧力をにらみながら比較的落ち着いた値動きとなっている。

売り圧力の一つが、マイケル・セイラー氏率いる企業ストラテジー(Strategy)による、またしてもの1638BTC売却だ。時価換算(1BTC=約1011万円)で概算すると、約165.6億円相当のインパクトとなる。

CoinGeckoのデータによると、原稿執筆時点でのBTC価格は6万4113ドル(約1011万円)。過去7日間で約0.8%の下落となっており、同期間の安値は6万2500ドル(約985.6万円)を割り込む場面もあった。

Source: Bitcoin Munger

「盗んだコインは動かせない」――暗号資産の宿命という“救い”

一方で、コールドカード事件の犯人グループが今後、盗んだ資産を換金するのは簡単ではないとの見方も出ている。

暗号資産コメンテーターのShagun氏は日曜日、X(旧Twitter)への投稿で、大口の資金移動はブロックチェーン調査会社や取引所、その他の市場参加者から即座に監視の目を向けられることになるだろうと指摘した。ビットコインの取引履歴が誰でも追跡可能な「透明性」が、皮肉にも犯人グループの首を絞める格好になりそうだ。

この記事はCointelegraphの編集方針に従って作成されており、情報提供のみを目的としています。投資アドバイスや推奨を構成するものではありません。すべての投資および取引にはリスクが伴います。読者は独自に調査を行うことを推奨します。

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