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Felix Ng編集者Yohan Yu監修編集者

CLARITY法に暗雲 共和党が最終案提示も、ウォーレン氏が民主党に反対呼びかけ

最新ニュース公開日2026年9月15日

米上院共和党は、CLARITY法の修正版を公表した。トランプ大統領も新たな倫理規定に同意し、民主党への譲歩を演出した形だ。だが、エリザベス・ウォーレン上院議員は最新案でも不十分だとして反対姿勢を強めており、火曜日の手続き投票を前に法案の行方はなお不透明だ。

米上院共和党は日曜日、CLARITY法の修正文書を公表した。火曜日に予定される重要な手続き投票を前に、民主党の支持を取り付けるための「最終提案」と位置づけられている。

だが、法案通過への道筋はまだ見えない。共和党側は、ドナルド・トランプ米大統領も新たな倫理規定に同意したとして譲歩をアピールしている。しかし、民主党側の急先鋒であるエリザベス・ウォーレン上院議員は、最新案でも利益相反を防げないとして、民主党議員に反対を呼びかけている。

今回の635ページに及ぶ提案は、米上院銀行委員会デジタル資産小委員会のシンシア・ルミス委員長が、ジョン・ブーズマン委員長、ティム・スコット委員長とともに公表したものだ。法案には、ブロックチェーン規制確実性法(BRCA)の修正や、ステーブルコインの利回りに関する条項も含まれている。

ルミス氏は、新たな倫理規定についてトランプ氏が同意したと説明した。

「1年にわたり、毎日のように激しい超党派交渉を重ねてきた。この法案は準備が整った」とルミス氏は述べた。

さらに同氏は、「トランプ大統領は前例のない倫理規制に自発的に同意した。連邦レベルで選出されたすべての公職者、判事、そしてその配偶者に対し、米国史上でも最も厳しい部類に入る倫理規制を課すものだ」と強調した。

ロイターによれば、今回の修正版には民主党の要請を受けた126カ所の実質的な変更が盛り込まれた。ただし、法案を前に進めるために必要な60票を確保できるかは依然として不透明だ。共和党は上院で53議席を持つため、共和党議員が全員賛成しても、少なくとも7人の民主党議員の支持が必要になる。

手続き投票は米東部時間9月15日午後2時15分に予定されている。この投票を通過すれば、CLARITY法は上院本会議での審議に進む。通過できなければ、年内成立への道筋は一段と細くなる。

ウォーレン氏「弱い見せかけにすぎない」

共和党側の思惑に冷や水を浴びせているのが、ウォーレン氏だ。

ウォーレン氏は9月14日、上院本会議で、CLARITY法案をめぐる共和党の「最終提案」について、「トランプ氏が次の14億ドル、約2156億円の暗号資産利益を得ることを止められない」と批判した。さらに、この倫理規定について「弱い見せかけ」にすぎないとし、民主党側に反対を促した。

ウォーレン氏が問題視しているのは、州司法長官に一定の執行権限を与えるとしながらも、最終的にはトランプ政権下の政府機関が訴訟や執行を止められる余地が残っているという点だ。

ロイターも、ウォーレン氏側のスタッフが今回の倫理規定について「空っぽ」だと懸念していると報じている。トランプ氏の政府倫理局が、州司法長官による訴訟を一方的に止められる可能性があるためだ。

つまり共和党は「民主党の要求を反映した」と説明しているが、民主党の中核メンバーはなお納得していない。ブルームバーグ・タックスによれば、民主党議員らは月曜日時点で投票態度を明らかにしておらず、倫理規定への懸念を主な理由に挙げている。マーク・ワーナー上院議員は、民主党側に共和党への対案があると述べた。

トランプ氏の暗号資産利益が最大の火種に

今回の対立の核心は、トランプ氏とその周辺の暗号資産ビジネスである。

AP通信によれば、CLARITY法の当初案には、連邦レベルで選出された公職者とその配偶者、連邦判事によるデジタル資産の発行を禁じる規定が盛り込まれていた。しかし、民主党議員や共和党のトム・ティリス上院議員は、それだけではトランプ氏の暗号資産関連の利益相反に対応するには不十分だと主張していた。

ティリス氏と民主党のルーベン・ガジェゴ上院議員らは、司法省だけでなく州司法長官にも法執行に関与させる規定を求めていた。共和党側の説明によれば、トランプ氏はこの提案の約8割に同意したという。

修正版では、対象者に対し、暗号資産を発行する事業体などに対する重大な金銭的利害を手放すか、適格なブラインド・トラストに移すことを求める。違反した場合の民事制裁金は、50万ドル、約7700万円、または禁止取引で受け取った金額の20%のいずれか大きい方となる。

また、州司法長官は、禁止対象となるデジタル資産を取引所が上場した場合、その取引所を訴えることもできるとされる。AP通信によれば、これはトランプ氏が同意した主要な譲歩の一つだ。

しかし、ウォーレン氏はこれでも不十分だとみる。ウォーレン氏は、トランプ氏の関連企業であるワールド・リバティ・トラスト・カンパニーが連邦銀行免許の予備承認を受けたことにも触れ、CLARITY法の最新案はトランプ氏の新たな銀行には適用されないと批判した。

ステーブルコイン報酬にも銀行業界が反発

CLARITY法をめぐる火種は、倫理規定だけではない。ステーブルコインの報酬をめぐっても、銀行業界との対立が続いている。

修正版では、地域銀行から預金が大規模に流出していると財務長官が判断した場合、ステーブルコイン保有者への報酬を制限する規則を導入することが求められる。ただし、この権限は法案成立から18カ月で失効する。

ロイターによれば、複数の銀行業界団体は月曜日、ジョン・スーン上院多数党院内総務とチャック・シューマー上院少数党院内総務に書簡を送り、法案の修正を求めた。銀行団体は、決済型ステーブルコインが預金に似たインセンティブを提供すれば、銀行から預金が流出し、金融機関の融資能力が損なわれる恐れがあると主張している。

暗号資産業界にとって、CLARITY法は長年求めてきた市場構造法案である。一方、銀行業界にとっては、預金基盤を揺るがしかねない競争ルールでもある。

BRCA修正でマイナーとバリデーターも保護対象に

修正されたBRCAでは、開発者が銀行秘密法上の送金業者や金融機関として扱われないようにする保護規定が維持された。さらに、これまで対象外だったマイナーやバリデーターにも保護が拡大される。

これにより、ネットワークの維持や検証に関わる主体が、過度に金融機関扱いされるリスクを下げる狙いがある。

一方で、修正版は米国法典第18編1960条への言及を削除した。同条は無免許送金業の禁止に関する規定であり、開発者保護を重視する業界関係者からは懸念も出ている。ザ・ブロックによれば、コイン・センターはBRCA全体について前進だとしながらも、刑事法上の中核的な問題を解決するには至っていないと指摘している。

このほか、デジタル商品取引所、ブローカー、ディーラーにおける関連会社取引や利益相反をめぐる安全措置も強化される。州の消費者保護法がどのように適用されるかについても明確化される。

業界は期待、政治は膠着

暗号資産業界では、法案前進への期待も出ている。ザ・ブロックによれば、ルミス氏はXへの投稿で「CLARITY法は目の前にあり、この機会は何年も来ない」と述べ、議員らに法案を前に進めるよう求めた。

一方で、同法案の年内成立にはなお大きな不確実性がある。ザ・ブロックは、TDコーウェンのワシントン・リサーチ・グループが、CLARITY法の年内成立確率を25%と見ていると報じた。仮に上院を通過しても、法案は下院に戻る必要があり、下院は9月後半の2週間を休会する予定だという。

予測市場ポリマーケットでも、CLARITY法の年内成立確率は上昇している。ただし、依然として過半には遠い水準だ。

今回の修正版は、共和党が民主党に差し出した最後の譲歩である。トランプ氏も倫理規定を受け入れた。だが、ウォーレン氏ら民主党側は、なお「抜け穴だらけ」とみている。銀行業界もステーブルコイン報酬に反発し、開発者保護を重視する業界関係者からも不満が残る。

CLARITY法は、上院の手続き投票という最初の関門に向かう。ここを越えられるかどうかで、米国の暗号資産市場ルール作りは大きく進むか、再び停滞するかの分岐点を迎える。

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