
テザーが南米を“札束攻勢”で攻略へ アルゼンチンのネット銀行ウアラに約32億円投資
世界最大のステーブルコイン「USDT」を発行するテザーが、ブラジルとアルゼンチンで巨額投資を連発している。次なる標的は、銀行と暗号資産が急接近するラテンアメリカ市場だ。

世界最大のステーブルコインを抱える“暗号資産界の巨人”が、南米で札束をばらまき始めた。
ステーブルコイン大手のテザーが、アルゼンチンのネオバンク「ウアラ」に2000万ドル(約32億5000万円)を投資したと報じられた。ラテンアメリカ市場への進出を加速させる動きの一環とみられる。
今回の投資は、ウアラが3月に発表した総額1億9700万ドル(約320億円)の株式資金調達ラウンドに含まれていたという。このラウンドを主導したのは、ドイツの保険大手アリアンツ傘下の投資会社「アリアンツX」だ。
ウアラは当時、テザーが出資者として参加したことは明らかにしていたものの、具体的な投資額については口を閉ざしていた。テザーから正式な確認を得るため、コインテレグラフが問い合わせたが、記事公開時点では回答はなかった。
もっとも、テザーの“南米買い”は今回が初めてではない。
7月上旬には、ブラジルの暗号資産取引所「メルカド・ビットコイン」にも2000万ドル(約32億5000万円)を投資すると発表した。ラテンアメリカ全域で、オンチェーン・インフラの拡大を支援するのが目的だという。
さらに4月には、アルゼンチンの暗号資産プラットフォーム「ベロ」が実施したシリーズA資金調達をテザーが主導。調達額は1400万ドル(約22億7000万円)に上った。
このラウンドには、タイタン・ファンド、ザ・ベンチャー・シティ、マインドセット・ベンチャーズ、G2など、複数の既存投資家も参加した。
テザーが発行する「USDt(USDT)」は、米ドルなどの法定通貨に価格を連動させるステーブルコインだ。記事執筆時点の時価総額は1844億ドル、日本円で約29兆9000億円に達しており、世界最大のステーブルコインとして君臨している。
巨額の利益を生み出すUSDTを武器に、金融機関や暗号資産企業への出資を繰り返すテザー。南米で始まった“札束攻勢”は、もはや単なる投資ではない。ラテンアメリカの金融インフラそのものを押さえにいく布石なのかもしれない。

