テザーの投資部門は、ビットコインネットワーク上でのステーブルコイン機能の拡張を目指し、520万ドルの資金調達ラウンドの一環として、ビットコイン基盤「アーク・エード(Arkade)」を開発するアーク・ラボに出資した。
木曜日のアーク・ラボの発表によると、この投資は、ビットコイン(BTC)上でテザー(USDT)などのステーブルコインの発行、送金、決済をより効率的に行うためのインフラ構築を目的としている。
スイスのルガーノに拠点を置くスタートアップのアーク・ラボは、ビットコイン上での即時かつプログラマブルな取引をサポートするために設計された実行レイヤーを開発している。今回のラウンドにより、同社の累計調達額は770万ドルに達した。
このシードラウンドには、サッツ・ベンチャーズやコントリビューション・キャピタル、アンカレッジ・デジタルなどが参加した。各社の具体的な出資比率は公表されていない。
デファイラマ(DefiLlama)のデータによれば、現在、ステーブルコインの発行先としてビットコインは主要なチェーンに含まれていない。ステーブルコインの市場総額約3,150億ドルのうち、イーサリアム(ETH)上が約1,610億ドル、トロン(TRX)上が約860億ドルを占めている。
テザーの独立投資部門は、自社の利益と準備金から得た資金を、デジタル資産や関連技術のインフラを構築する企業に投入している。そのポートフォリオは、金融サービス、人工知能、エネルギー、デジタルメディアなど多岐にわたる。
アーク・エードは、現在のベースレイヤー(基本層)よりも複雑な取引ロジックを可能にすることで、開発者や機関投資家がビットコイン上で決済や金融サービスなどのアプリケーションを構築できるようにすることを目的としている。
今回の投資は、市場総額最大のステーブルコインであるテザー(USDT)の発行元が、睡眠テクノロジー企業のエイト・スリープへの5,000万ドルの投資ラウンドを主導してから約1週間後に行われた。エイト・スリープへの投資は、製品への人工知能(AI)エージェントの統合を支援することを目的としている。
各社がビットコイン上の金融インフラを拡張
ビットコインは伝統的に複雑な金融アプリケーションのサポートには不向きとされてきたが、単純な価値の移転を超え、決済や金融用途へとビットコインの利用を拡大するためのインフラを構築する企業が増えている。
2023年には、ビットコインインフラ企業のライトニング・ラボが「タップルート・アセッツ」のメインネット・アルファ版をリリースした。これは、ステーブルコインやその他の資産をビットコイン上で発行し、ライトニングネットワークを通じて転送できるようにするプロトコルである。
その他の取り組みとしては、ビットコインとのマージ・マイニング(結合採掘)によってセキュリティを確保し、ネットワークに紐づいた分散型金融(DeFi)アプリケーションをサポートするスマートコントラクトプラットフォーム「ルートストック」などがある。
機関投資家向けのプレーヤーも、ビットコイン基盤の金融レイヤーの統合を開始している。2月には、仮想通貨カストディ(保管)業者のファイアブロックスが、ビットコインのDeFiレイヤーであるスタックス(Stacks)ブロックチェーンを統合すると発表し、機関投資家クライアントにビットコイン関連の貸付や利回り獲得の機会を提供することを明らかにした。
また3月には、ビットコイン・ステーキング・インフラ開発のバビロン・ラボが、ハードウェアウォレットメーカーのレジャーと提携し、ユーザーが資産の自己管理(セルフカストディ)を維持したまま、ビットコインをプログラマブルな保管庫にロックできるようにすると発表した。

