米国の暗号資産業界をめぐり、またひとつワシントンで火種が上がった。
共和党の上院議員グループが、暗号資産関連業務を手がける企業に対する資本基準を明確にするよう、米金融当局に迫ったのである。
シンシア・ルミス上院議員は木曜日、自身が中心となり、5月27日付で連邦準備制度理事会(FRB)監督担当副議長のミキ・ボウマン、連邦預金保険公社(FDIC)のトラビス・ヒル委員長、通貨監督庁(OCC)のジョナサン・グールド長官に書簡を送ったと明らかにした。
書簡は、各当局が3月に示したトークン化証券の資本上の取り扱いに関するガイダンスを評価した。そのうえで、さらに一歩進め、「貸借対照表上で保有されるデジタル資産について、明確かつ公平な資本上の取り扱い」に向けた制度整備を求めた。
問題視されたのは、現在の国際基準である。
現行の暗号資産保有に関する国際的な資本基準では、銀行がデジタル資産を保有する場合、その保有額を上回る規模の準備資産を求められる。議員らはこれについて、銀行による暗号資産保有を「事実上禁止するもの」だと批判した。
書簡が送られたタイミングも意味深だ。
米上院では現在、暗号資産規制の大枠を定める「クラリティ法案」の審議が控えている。同法案は、連邦機関が暗号資産をどのように規制するかを明確にするものだ。現在の案では、銀行が決済、融資、カストディ、取引といった業務において、デジタル資産やブロックチェーンを活用することを認めている。
上院指導部は、11月の中間選挙前の成立を目指している。選挙前に成立しなければ、次の議会で法案を再提出しなければならなくなる可能性があるためだ。

Source: Cynthia Lummis
共和党議員グループが特に問題視したのは、バーゼル銀行監督委員会が長年維持してきた基準である。暗号資産に対して1250%のリスクウェイトを課すこの基準について、議員らは「デジタル資産の実際のリスク特性を精緻に評価した結果に基づくものではない」と指摘した。
書簡ではこう訴えている。
「貸借対照表上のデジタル資産業務に対する資本上の取り扱いは、デジタル資産の機会とリスクを正確に反映すべきである。そして可能な限り、技術中立的なアプローチに基づき、銀行がデジタル資産市場に実質的に参加できる権限を与えるものでなければならない」
議員らはさらに、上院で検討中の暗号資産関連法案が成立すれば、「資本規制に関するガイダンスが間違いなく必要になる」と強調。規制当局に対し、暗号資産向けの新たな資本枠組みの策定に着手するよう求めた。
書簡には、ダン・サリバン、ビル・ハガティ、バーニー・モレノ、テッド・バッド、ジョン・ヒューステッドの各上院議員も署名した。
上院の暗号資産法案をめぐる審議は、休会明けの今週に再開される予定だ。同法案は、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)が、暗号資産市場や関連企業をどのように規制するかを定める内容となっている。
上院銀行委員会と農業委員会は、それぞれ証券と商品に関する独自の法案を通過させている。ただし、上院本会議で進めるには、両案の違いを調整する必要がある。
さらに、ステーブルコイン、倫理規定、暗号資産開発者の扱いなど、議員らが提起している論点も残る。上院で長期の審議妨害を避けて可決に持ち込むには60票が必要となる。これらの論点を処理できなければ、法案は再び棚ざらしになる可能性がある。

