
トランプが議員をホワイトハウスに緊急招集 暗号資産の命運を握る「CLARITY法案」、成立確率はわずか36%
米国の暗号資産ルールを大きく変える「CLARITY法案」をめぐり、トランプ大統領が上院議員らと直接協議する。議会の8月休会までに法案を通せなければ、中間選挙前の成立は絶望的との見方も強い。予測市場では上院採決への期待が高まる一方、年内成立の確率は4割にも届いていない。

米国の暗号資産業界が、固唾をのんで見守る“運命の会談”が始まろうとしている。
ドナルド・トランプ米大統領は16日、ホワイトハウスに複数の上院議員を招き、暗号資産市場のルールを定める市場構造法案について協議する予定だ。
問題の法案は、その名も「CLARITY法案」。暗号資産をどの政府機関が、どのようなルールで監督するのかを明確にするための重要法案である。
政治専門メディア「ポリティコ」によると、バーニー・モレノ上院議員は、議員グループがトランプ大統領に対し、法案の進捗状況と「成立に向けた道筋」を説明すると明らかにした。
上院共和党関係者によれば、暗号資産推進派として知られるシンシア・ルミス上院議員も会談に出席するという。
モレノ議員は、こう語っている。
「法案全体について話し合います。言うまでもなく、大統領はこの法案に深く関わってきました。将来的に大きな利益をもたらすであろうイノベーションを、本当の意味で推進してきたのは大統領です」
議員たちがここまで焦っているのには理由がある。
米上院は間もなく8月の休会期間に入る。議会関係者の多くは、休会前にCLARITY法案を可決できなければ、11月の中間選挙前に法案を成立させる現実的なチャンスは、ほぼ消滅するとみているのだ。
法案に残された未解決事項の調整に携わっているトム・ティリス上院議員は、ポリティコに対し、次のように話した。
「今週末までに、何らかの合意にたどり着けることを願っています」
さらに、こう続けた。
「8月の休会前に本会議を通過させようとするなら、今週の合意は極めて重要です」
現在、議員たちは修正版の法案が提出されるのを待っている。
ルミス議員は15日、米FOXビジネスのインタビューで、新たな法案草案が数日以内に公開され、早ければ翌週にも上院本会議で審議されるとの見通しを示した。
コインテレグラフはルミス議員にコメントを求めたが、記事掲載時点では回答を得られていない。
予測市場は「上院採決」に79%
では、実際にCLARITY法案が成立する可能性は、どの程度あるのか。
予測市場カルシでは、上院が8月の休会前にCLARITY法案の採決を実施する確率が79%まで上昇した。前日の68.8%から、わずか1日で10ポイント以上も跳ね上がった格好だ。
トランプ大統領と上院議員による会談への期待が、市場の数字を押し上げたとみられる。
しかし、「採決されること」と「法律として成立すること」は、まったく別の話である。
カルシで取引規模300万ドル、約4億8732万円に上る予測市場では、CLARITY法案が2026年中に成立する確率は、わずか36%にとどまっている。
一方、2027年末までに成立する確率は62%と予想されている。
別の予測市場ポリマーケットでも、2026年中にトランプ大統領が法案へ署名し、正式に法律となる確率は39%だ。
つまり、市場参加者の見方はこうだ。
「上院での採決までは進む可能性が高い。しかし、年内に法律になるかは五分五分以下」
トランプ大統領が自ら議員を集めたことで、停滞していた法案審議が一気に動き出す可能性はある。
ただし、残された時間は少ない。
暗号資産大国を目指すトランプ政権の看板政策は、議会の“夏休み”に入る前に最大の山場を迎える。

