
SBIがシンガポールの暗号資産取引所を電撃"子会社化"──当局GOで丸のみ、470億円ビットバンクだけじゃ止まらない爆買い
国内で約470億円のビットバンク買収をぶち上げ、暗号資産の"覇権"を狙うSBIホールディングス。その飽くなき食欲は、ついに海の向こう・シンガポールへ。当局のお墨付きを武器に、現地の有力取引所を一気に飲み込んだ。北尾流"爆買い戦略"の真の狙いを、本誌が追った。

日本の金融サービス大手・SBIホールディングスが、シンガポールの暗号資産プラットフォーム「コインハコ」を運営する親会社ホールドビルドの過半数株式を取得した。同国の中央銀行にあたる金融当局の承認を得たうえでの、電撃的な"落札"である。
発表があったのは木曜日。シンガポール金融管理局(MAS)の承認によって、SBIは資本注入を通じ、既存株主から株式を取得。これにより、コインハコはSBIの連結子会社に組み込まれることとなった。
コインハコといえば、傘下のハコ・テクノロジーを通じ、MASから「主要決済機関(MPI)ライセンス」を保有する、いわば"正規軍"の取引所だ。SBIがこのシンガポールの暗号資産取引所の過半数株取得に名乗りを上げたのは、今年2月のことだった。
SBIは、コインハコの顧客基盤と地域ネットワークを、自社の金融サービスやデジタル資産事業──ステーブルコイン構想「JPYSC」を含む──と融合させる腹積もりだという。
気になる取引額は非公表。本誌(コインテレグラフ)が詳細を問い合わせたものの、SBI側からの即答はなかった。
だが、これは氷山の一角に過ぎない。今回の買収は、SBIがデジタル資産分野で仕掛ける大がかりな拡大戦略の"一手"なのだ。今月初めには、機関投資家向け暗号資産取引所「EDXマーケッツ」のシリーズC資金調達(7600万ドル=約124億円)を主導したばかり。さらに、ビットバンクを2億8900万ドル(約470億円)で買収する計画までブチ上げ、日本最大級の暗号資産取引所を築こうと鼻息が荒い。
SBI、アジアで暗号資産への"のめり込み"を深める
SBIはシンガポールを、自社のデジタル資産戦略の要衝と位置づけ、今回の買収で東南アジアでの存在感を一段と強めると強調する。この夏には初の海外支店長会議をシンガポールで開き、現地事業の地盤固めを狙う構えだ。
ここ数カ月、SBIは買収、投資、そしてトークン化構想を矢継ぎ早に打ち出し、デジタル資産分野での攻勢を加速させてきた。今週も、オンド・ファイナンスと提携。日本株のトークン化を進め、決済や担保に自社ステーブルコイン「JPYSC」を組み込むという。
遡ること2月には、スターテイル・グループと組んでレイヤー1ブロックチェーン「ストリウム」を発表している。このネットワークは、トークン化された証券やリアルワールドアセット(RWA)に特化し、24時間365日の取引、トークン化株式の決済、機関投資家向け金融アプリケーションを支える設計だ。SBIが国内外でデジタル資産インフラを一気に広げようとする、その野心が透けて見える。

