
FTXマネーで選挙資金か 元幹部の妻、起訴取り消し認められず
FTX元幹部ライアン・サラメ被告の妻ミシェル・ボンド氏が、選挙資金規正法違反をめぐる起訴の棄却を求めた申し立てについて、連邦判事はこれを退けた。

FTX元幹部ライアン・サラメ被告の妻であるミシェル・ボンド氏が、違法な選挙資金をめぐる罪に問われることになった。裁判所は、サラメ被告が有罪を認めればボンド氏は訴追されないと検察側が約束していた、というボンド氏側の主張を退けた。
マンハッタン連邦地裁のジョージ・ダニエルズ判事は水曜日、ボンド氏が求めていた起訴棄却の申し立てを却下した。起訴状では、ボンド氏が2022年の連邦下院選に出馬した際、現在は破綻している暗号資産取引所FTXから不正に資金を受け取り、落選に終わった選挙戦の資金に充てたとされている。
ダニエルズ判事は、サラメ被告の書面による司法取引の条件について「曖昧さはない」と指摘した。
「証拠が明らかにした通り、被告人とその弁護人を含むすべての当事者は、サラメ被告が有罪答弁を行った時点で、政府がボンド氏の免責を約束していなかったことを認識していた」
2022年に起きたFTXの派手な崩壊は、暗号資産業界を大きく揺るがした。今回の決定により、FTXをめぐる刑事裁判としては最後の部類に入る公判が開かれる可能性が出てきた。暗号資産史上最大級の破綻劇をめぐる一章が、いよいよ終幕に近づいている。

Michelle Bond (left) and Ryan Salame (right) leaving a Manhattan courthouse in August 2024. Source: YouTube
FTXのバハマ子会社であるFTXデジタル・マーケッツで共同CEOを務めていたサラメ被告は、違法な政治献金を行う共謀と、無許可の送金業を運営した罪を認め、2024年5月に禁錮7年6カ月を言い渡されている。
ボンド氏は、2023年の会合で、当時マンハッタン地区の連邦検事だったダニエル・サスーン氏が、ボンド氏とサラメ被告の弁護士に対し、「司法取引書面の範囲外で約束するものではない」と前置きしたうえで、サラメ被告が有罪を認めれば、検察側は「RS、つまりライアン・サラメに関する捜査部分は終結させる。ただしSBF、つまりサム・バンクマン=フリードに関する部分は除く」と述べたと主張していた。
しかしダニエルズ判事は、証拠は「サラメ被告の有罪答弁と引き換えに、政府がボンド氏を訴追しないと約束していなかったことを疑いなく示している」とした。
さらに判事は、ボンド氏の元弁護士ジーナ・パーロヴェッキオ氏も宣誓のもとで同趣旨の証言をしていたと指摘した。同氏は、どのような話し合いがあったにせよ、サスーン氏の発言を「当時、約束だとは考えていなかった」と証言したという。
検察側は2024年8月、ボンド氏が2022年に下院選への出馬を表明した後、サラメ被告がボンド氏とFTXの間でコンサルティング契約を結ばせ、ボンド氏に40万ドル、約6400万円を支払わせたと初めて主張した。
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政府側によれば、ボンド氏はその資金を議会選挙の資金として違法に使用した。さらに、2022年6月から8月にかけて、サラメ被告から送金された数十万ドル、すなわち日本円で数千万円規模の追加資金も選挙資金に充てたとされる。
検察側は、ボンド氏がこれらの支払いの出所を隠そうとし、議会委員会と連邦選挙委員会に対して虚偽の説明を行ったとも主張している。
ボンド氏が問われている罪は、違法な政治献金を生じさせる共謀、名義貸し献金の実行および受領、上限を超える選挙献金の実行および受領、そして違法な企業献金の実行および受領である。
ボンド氏が直面する4つの罪はいずれも、最高で禁錮5年の刑が科される可能性がある。
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