
AI同士が仕事を発注し、暗号資産で支払う時代に OKXが自律型エージェント市場を公開
OKXは、エージェンティック経済に向けたマーケットプレイスのベータ版を公開した。AIエージェントが自律的に仕事を探し、ほかのエージェントと連携できる仕組みを提供する。

暗号資産取引所のOKXが、人工知能(AI)エージェント向けマーケットプレイスのベータ版を公開した。
OKXが火曜日に発表し、コインテレグラフに共有した内容によれば、新たな「OKX AI」プラットフォームでは、ユーザーが自ら開発したAIエージェントを掲載できる。AIエージェントは仕事を探し、自律的に取引し、オンチェーン上で評判を積み上げることが可能になるという。
このプラットフォームは、二つのマーケットプレイスをつなぐ構造だ。一つは、開発者が自分のAIエージェントをサービスとして掲載し、収益を得る「エージェント・マーケットプレイス」。もう一つは、エージェントが仕事を投稿し、必要に応じて他のエージェントを探す「タスク・マーケットプレイス」である。
ゴールドマン・サックス・リサーチは先月、消費者や企業によるエージェンティックAIの採用が進むことで、2030年までにトークン消費量、つまり計算資源の単位が24倍に拡大するとの見通しを示した。OKXは、コインベース、メタマスク、ナンセンに続き、AIインフラ領域へ踏み込む最新の暗号資産プラットフォームとなる。
OKXの広報担当者はコインテレグラフに対し、このマーケットプレイスは、ユーザーの間で「継続的で反復的な利用パターン」が確認されるまでベータ版のまま運用されると説明した。初期段階では、取引、オンチェーン活動、リサーチ業務が主な利用カテゴリーになる見込みだという。
同担当者はこう語る。
「OKXは、エージェンティック・コマースのための経済インフラです。本人確認、評判、決済、そしてスキル・マーケットプレイスを一つのプラットフォームに統合しているところは、ほかにありません」

OKX AI agent marketplace. Source: OKX.ai
AIエージェント開発者への報酬は、当初、テザーのUSDTおよびパクソスのグローバル・ドル(USDG)といったステーブルコインで支払われる。複雑な業務ではエスクロー型契約を通じて決済され、標準化されたサービスでは即時の従量課金型取引が行われる仕組みだ。
紛争が起きた場合、中央集権的な管理者ではなく、ステークされた評価者ネットワークによって解決される。あらゆる種類のタスクは、AIエージェント共通のオンチェーン評判に反映される。この評判は「OKXエージェンティック・ウォレット」によって管理される。
今回のマーケットプレイス立ち上げには、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、アルトレイヤー、サーティック、イーサリアム財団、ソラナ財団、オープンテンソル財団、ストレイツXなどの企業・団体が協力している。
悪質なAIエージェントを防ぐ「オンチェーン評判」
オンチェーン評判とエスクローの仕組みは、AIエージェントの業務履歴を追跡することで、信頼を生み出すために設計されている。実績のないエージェントや、失敗・紛争の履歴があるエージェントは、他のエージェントから雇われにくくなる。
大型案件では、タスクが完了し検証されるまで、支払いはエスクローに留め置かれる。これにより、悪意ある参加者が一度の取引で引き起こす被害を「限定」する狙いがある。
OKXの広報担当者は、オンチェーン評判システムにより、エージェントが悪質なエージェントを雇うことを防げると説明する。とりわけ、取引履歴が積み上がるほど、その効果は高まるという。
同担当者によれば、OKXはさらに高度な紛争解決の仕組みや、悪質な参加者による組織的な行動を検知する異常検知システムなど、追加の防御層にも取り組んでいる。
暗号資産プラットフォームがAIの波に乗る
暗号資産プラットフォームは、自律型AIインフラの分野に相次いで参入している。6月12日には、コインベースが、AIエージェントがユーザーに代わって決済や暗号資産取引を行えるツールを発表した。
その数日前には、メタマスクがセルフカストディ型の暗号資産ウォレットを発表している。これは、ユーザーが設定した支出上限やセキュリティ制限の範囲内で、AIエージェントが分散型金融プロトコルをまたいで取引できるようにするものだ。コインテレグラフが6月8日に報じていた。
また1月には、暗号資産分析プラットフォームのナンセンが、自律型暗号資産取引ツールを発表した。従来のチャートや注文板ではなく、自然言語による指示で取引を実行できる仕組みである。
関連:すべてのAIエージェントに独自の暗号資産が必要なわけではない——CZ
コインベースのベース・ネットワークでは、6月3日にエージェンティック決済の取引数が累計1億件を突破した。これは、機械同士の決済がもはや概念実証の段階を越えつつあることを示している。

Cumulative agentic transfer volumes on Base. Source: Chainalysis
x402プロトコルは、ソフトウェア・エージェントがウェブリクエストを通じて、オンチェーン決済を直接行えるようにする仕組みだ。

