
メタプラネット、株主反発で役員向け株式プールを41%削減 香港にビットコイン運用子会社も設立へ
希薄化への懸念が高まるなか、メタプラネットは第10回新株予約権の潜在株式数を約1億3100万株減らす方針を示した。あわせて香港に新会社を設立し、ビットコインや株式、クレジット商品の取引をアジア時間で展開する。

日本のビットコイン・トレジャリー企業であるメタプラネットが、株主からの反発を受け、役員・従業員向けの株式報酬制度を見直す。
メタプラネットのサイモン・ゲロヴィッチCEOは、第10回新株予約権について、希薄化懸念に対応するため、さらなる条件変更を行うと明らかにした。
同社は、新株予約権の対象となる潜在株式数を1億3130万株削減する。これにより、潜在株式数は3億1946万4000株から1億8819万株に減る。転換比率を1対696から1対410へ戻すことで、2025年9月の海外募集前の水準に戻すかたちだ。ゲロヴィッチ氏が金曜日のX投稿で説明した。
すでに過去の行使によって交付された株式については、返還や消却の対象とはならない。今回の削減は、今後行使される可能性のある分に適用される。
ゲロヴィッチ氏によれば、この変更により、2億2000万ドル超、約339億円相当のワラント価値が消滅する。また、完全希薄化後1株あたりのビットコイン保有量は約8.8%増えるという。
さらにメタプラネットは、最大9万個の新株予約権を長期の役員・従業員インセンティブ制度に移す計画も撤回する。今後は、世界的な報酬コンサルティング会社とともに、新たな報酬制度を設計する方針だ。
修正後の条件では、未確定の新株予約権には追加の行使制限が課される。行使可能になる時期は3分割され、2029年、2030年、2031年にそれぞれ3分の1ずつ行使可能となる。
今回の変更は、役員向け株式プールの拡大に対する株主批判を受けたものだ。メタプラネットは8月18日、同プールを4600万株から3億1950万株に拡大したと発表していた。しかし一部株主は、この拡大によって新たに生じた2億7300万株分の潜在株式について、取り消しを求めていた。
ヴァンエックでデジタル資産調査責任者を務めるマシュー・シーゲル氏は、金曜日のX投稿で、今回の調整を「意味のある譲歩」と評価した。経営陣と株主の利害をより一致させる内容だとしている。
メタプラネットは8月31日、ゲロヴィッチ氏が第10回新株予約権に基づき9万2000株を取得する権利を行使したと開示していた。ゲロヴィッチ氏は、自身が第10回新株予約権の保有者であることから、今回の調整に関する取締役会の審議と採決には参加しなかったと説明している。
同社は8月18日の開示資料で、株式プールの拡大について「既存株主が負担する希薄化を増幅させる」と認めていた。
メタプラネット、香港に資産運用子会社を設立へ
メタプラネットは同じく金曜日、香港に「メタプラネット・アセット・マネジメント・アジア・リミテッド」を設立する計画も発表した。設立時期は9月下旬を予定しており、当初資本金は100万ドル、約1億5400万円となる。
新会社は、アジア市場の取引時間帯に、ビットコイン、株式、クレジット商品の取引を行う。
この新会社は、メタプラネットが進める「プロジェクト・ノヴァ」の一環だ。同プロジェクトは、ビットコインを中心に、資産運用、証券、資本市場、その他金融サービスへと事業領域を広げる構想である。
メタプラネットは6月、証券事業の構築に向け、Siiibo証券を21億円、ドル換算で約1310万ドルで買収することで合意していた。

メタプラネット株は金曜日に3.8%下落した。ヤフー・ファイナンスのデータによれば、過去5日間の下落率は15%に達している。

