
ビットコイン「58000ドル割れ」でも買い手は動かず 底値買いは“一頭のクジラ”だった可能性
ビットコインは7月初旬に5万7800ドル(約892万円)まで下落したが、オンチェーンデータ上では買い手が殺到した形跡は見られなかった。アナリストのウィリー・ウー氏は、底値を拾ったのは「単独のクジラ」だった可能性があると指摘している。

ビットコイン(BTC)が7月に5万7800ドル(約892万円)まで下落した局面で、投資家は「押し目買い」に飛びつかなかった――。そんな分析が浮上している。
ビットコインの保有期間別データを示すHODL Wavesによれば、BTC価格が7月初めに5万8000ドル(約895万円)を割り込んだ際、市場の反応は驚くほど鈍かった。
HODL Wavesは、ビットコインの供給量を「どれだけ長くウォレット内で動いていないか」によって分類し、その推移を波のようなチャートで示す指標だ。なかでも、1日から7日間だけ動いていない新しい供給分は、大きな価格変動後に投資家がどれだけ買いに動いたかを見る手がかりとなる。
BTC/USDは7月1日、一時5万8000ドルを下回り、2024年9月以来の安値水準に沈んだ。この時点で、1日から7日間動いていないBTC供給量の割合は、Look Into Bitcoinのデータで1.97%だった。その後も上昇はわずかで、7月5日時点でも2.35%にとどまった。

オンチェーンアナリストのウィリー・ウー氏は、この動きの乏しさを、長期的なBTC価格の底値局面としては異例だとみている。過去には、価格が新安値をつけると、買い手が反射的に飛びつくような動きが見られた。しかし、7月にはその“条件反射”が見られなかったという。
「底値を買った人物は、ゆっくり買っていた。もしかすると、単独のクジラだった可能性すらある」
ウー氏は今週、Xへの投稿でそう述べ、この現象を「アノマリー」と表現した。
もっとも、ウー氏もこの解釈が絶対ではないことは認めている。機関投資家向けの投資商品が、HODL Wavesのデータに影響を与えている可能性もあるからだ。
「関与したすべての投資家がゆっくり着実に買っていた、という説明以外に、このアノマリーを説明する仮説は見つかっていない。だが、それは買い手が少数だったことを示唆している。多くの投資家が買っていたなら、通常は群れのように価格変動に反応し、買いパターンにスパイクが生じるからだ」
弱気相場の底打ちにはなお疑念
今回の分析は、7月がビットコインの直近の弱気相場における底だったのか、という議論に一石を投じるものだ。
トレーダー兼アナリストのレクト・キャピタル氏は最新の分析で、ビットコインの弱気相場の構造は、広い下降トレンドの中で安値を切り下げる形として、なお維持されていると警告した。
「現時点で、ビットコインは弱気の価格推移を繰り返す位置にある。ただし、次の週足終値までに流れを変えるための時間は、まだ数日残されている。週足終値が約7万8300ドル(約1209万円)を下回れば、5月のような下落局面に向かう可能性がある」
同氏は木曜日、Xへの投稿でそう述べた。

一方で8月には、買い意欲が再び戻る兆しも見られた。米国の現物ビットコイン上場投資信託(ETF)には、3週間で38億ドル(約5866億円)の純流入があった。

