
クラーケン、トークン化株式でDeFi利回り S&P500やエヌビディアを対象
暗号資産取引所クラーケンが、トークン化された株式やETFをDeFi(分散型金融)で運用し、利回りを得られる「xStocks Vaults」を開始した。対象はS&P500 ETF、ナスダック100 ETF、エヌビディアで、トークン化株式・ETF市場の規模も約28億4000万ドル(約4380億円)まで拡大している。

暗号資産取引所クラーケンが、トークン化された株式やETFを使ってDeFiで利回りを得られる新サービスを始めた。
クラーケンは9月14日、対象となるトークン化株式・ETFをDeFiプロトコルに貸し出すことで利回りを得られる「xStocks Vaults」を開始したと発表した。
対象となるのは、S&P500に連動するステート・ストリートの「SPDR S&P 500 ETF」のトークン化版「SPYx」、インベスコの「QQQ ETF」のトークン化版「QQQx」、そしてエヌビディアの株式をトークン化した「NVDAx」の3つだ。
ユーザーが預け入れたxStocksはオンチェーン市場を通じて貸し出され、そこから生じた利回りは、預け入れたものと同じxStocksで支払われる。出金申請は3日以内に処理されるという。
8億ドル超を集めた「DeFi Earn」
今回のxStocks Vaultsには、クラーケンが1月に開始した「Kraken DeFi Earn」と同じインフラが使われている。
クラーケンによれば、DeFi Earnにはこれまでに8億ドル超(約1234億円)が預け入れられている。
新たなxStocks Vaultsのインフラを提供するのはVeda(ベーダ)。一方、利回りを生み出す貸し出し戦略の設計・運用はSentora(セントラ)が担当する。
資産はソラナ上のDeFi市場「Kamino(カミノ)」などを通じて貸し出される。Sentoraは、運用する資産の上限を設定するとともに、担保や流動性、オラクルの状況を監視する。
つまり、株式やETFをただ保有するのではなく、その裏側でDeFiの貸し出し市場に投入し、追加の利回りを狙う仕組みだ。
米国などでは利用できず
xStocks Vaultsは、欧州経済領域(EEA)などの対象市場に住むクラーケンの顧客が利用できる。
一方、米国、英国、カナダ、オーストラリア、アラブ首長国連邦では利用できない。
クラーケンがこのサービスを始めた背景には、トークン化された株式市場そのものの急拡大がある。
RWA.xyzのデータによれば、トークン化された株式とETFの流通価値は現在、約28億4000万ドル(約4380億円)に達した。
1年前は約5億4000万ドル(約83億円)だったため、1年で5倍以上に膨らんだ計算になる。
トークン化株式はまだ世界の株式市場全体から見れば小さな存在だ。
それでも、株式やETFをブロックチェーン上で取引・運用する仕組みが急速に整備されるなか、今回のクラーケンのサービスは、伝統的な金融資産とDeFiの距離がさらに縮まっていることを示す動きと言えそうだ。

Tokenized equities. Source: RWA.xyz

