
ステーブルコイン決済のKast、企業向け口座・カード・海外送金を一体化 約128億円調達後に新サービス
ステーブルコイン決済を手掛けるKastが、企業向けプラットフォーム「KAST Business」を開始した。法定通貨の口座からカード発行、海外送金、最大年利8%の残高運用までをまとめて提供する。2026年3月には8000万ドル(約128億円)を調達しており、年末までに最大5000社の利用を目指す。

ステーブルコイン決済企業のKastが、企業向けの新プラットフォーム「KAST Business」を立ち上げた。企業口座、決済カード、国境をまたぐ送金、さらには利回りが付く残高運用まで、ステーブルコインを基盤にまとめて提供する。
Kastによると、KAST Businessでは、規制下にある提携企業が提供する法定通貨のバーチャル口座を通じて資金を受け取れるほか、対応するステーブルコインや暗号資産の入金、バーチャルカードの発行、20種類以上の通貨による現地払いが可能になる。
同社は170カ国以上でサービスを提供しているとしている。ただし、実際に利用できる機能は国や地域の規制によって異なる。
目玉のひとつが、使われていない残高の運用だ。
Kastは、残高に対して最大年利8%の利回りを提供する。収益は短期の米国債やステーブルコインを活用した運用によって生み出すという。さらに、カード利用では最大3%のキャッシュバックも用意する。
もっとも、Kastそのものは銀行ではない。あくまでフィンテック企業であり、規制対象となる金融サービスについては、ライセンスを持つ提携金融機関を通じて提供する形を取る。
今回の企業向けサービス投入には、潤沢な資金も追い風となっている。
Kastは2026年3月、企業価値6億ドル(約958億円)とされる評価額で、8000万ドル(約128億円)を調達した。
同社は調達資金について、新商品の開発やライセンス取得に加え、北米、中南米、中東での事業拡大に充てる方針を示していた。
その後Kastは、米国での政策対応にも布石を打っている。米証券取引委員会(SEC)の元アドバイザーであるステファニー・アレン氏を採用し、企業向けプラットフォームの展開を前に政策コミュニケーション部門の責任者に据えた。
Kastによれば、現在のユーザー数は100万人を超える。
個人向けに広げてきたステーブルコイン決済を、今度は企業の資金管理へ――。同社は2026年末までに、実際にサービスを利用する企業を1000社から5000社まで増やすことを目標としている。
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