
アイルランドが暗号資産に本腰 マネロン・制裁逃れ・贈収賄リスクを7年ぶり評価
アイルランド政府は7年ぶりにデジタル資産に関するリスク評価を公表した。マネーロンダリング、テロ資金供与、制裁違反、そして贈収賄――暗号資産をめぐる“黒い使われ方”への警戒感を、あらためて鮮明にした格好だ。

アイルランド政府が、マネーロンダリングやテロ資金供与に使われるデジタル資産に、いよいよ照準を合わせた。
政府は政策課題の一環として、2027年後半までに「暗号資産関連活動を資金源として受け入れる際の業界基準」を導入する方針だ。
木曜日に公表された国家リスク評価を受けた実施計画の中で、アイルランド財務省は、暗号資産について、マネーロンダリングおよびテロ資金供与に関するリスクが「極めて重大」だと指摘した。
今回の2026年報告書は、アイルランドがデジタル資産に関するリスク評価を公表するのは7年ぶりとなる。報告書では、マネーロンダリングに関連する起訴件数の増加や、暗号資産の利用が犯罪組織にとって「特に魅力的」だった詐欺事件の増加にも言及している。

Source: Government of Ireland
前回の報告書以降、アイルランド政府は、暗号資産が「制裁逃れを助長し得る脆弱性」を抱えていると指摘してきた。さらに、同国の税務コンプライアンスや執行にも課題をもたらしており、業界を監督する判断権限を持つ腐敗した公務員への賄賂にも使われたという。
政府は、暗号資産業界の脆弱性として、「国際的な規制の不一致」がアイルランドのサービス提供事業者にリスクをもたらしている点を強調した。加えて、分散型金融、いわゆるDeFiのように、いまだ規制の網が十分にかかっていない領域も問題視している。
アイルランドには、欧州連合(EU)や米国など他の法域では一般的になりつつある暗号資産業界向けの法律や規制が、まだ十分に整備されていない。
それにもかかわらず、同国の暗号資産保有率は比較的高い。アイルランド中央銀行は昨年12月、人口のおよそ10%が暗号資産に投資していると報告している。
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2025年11月、アイルランド中央銀行は、コインベース・ヨーロッパ・リミテッドに対し、マネーロンダリング対策およびテロ資金供与対策の違反を理由に、約2400万ドル、日本円で約38億6000万円の制裁金を科した。
同中銀は、同社が取引監視システムの不具合に関する報告を遅らせたと指摘している。
アイルランド、暗号資産による政治献金も禁止
リスク評価では、暗号資産が「腐敗した公務員への支払いに使われるケースが増えている」との懸念も示された。
ただし、アイルランドでは、政治団体への公式な寄付であっても、暗号資産による献金はすでに4年以上前から禁止されている。
2022年4月、当局は、アイルランドの政党がビットコイン、イーサ、プライバシーコインなどの暗号資産を受け取ることを禁止する案を示していた。

