
暗号資産ONEがイーサリアムへ移行か 運営元が独自ブロックチェーン終了を提案
レイヤー1ブロックチェーン「ハーモニー」が、自前のチェーンを終了し、ONEトークンをイーサリアム上のERC-20トークンに移行する案を示した。背景には、約40億ONEの不正発行疑惑と10万件超の取引巻き戻し計画がある。

イーサリアム互換のレイヤー1ネットワークであるハーモニーが、自前のブロックチェーンを終了し、ネイティブトークン「ONE」をイーサリアムへ移行する案を打ち出した。メインネット立ち上げから7年。独立チェーンとしての歩みに、幕が下りる可能性が出てきた。
ハーモニーは日曜日、最終的なネットワークスナップショットを取得し、イーサリアム上でERC-20版のONEトークンを発行、さらに取引所での上場も移行する案を提案した。バリデーターには、ノードを停止する、ガバナーとして残る、あるいは同社の新たなAI動画イニシアチブに参加するという選択肢が示されている。
ただし、ハーモニーはこの提案について「拘束力のないもの」と説明している。最終ブロックがいつ生成されるのか、また、この終了案がバリデーター主導のガバナンス手続きに正式に付されるのかについては明らかにしていない。
ハーモニーが公開しているガバナンス規則によれば、選出されたバリデーターは提案を作成でき、選出されていないバリデーターも投票に参加できる。投票権はステーク量に応じて決まる。提案の可決には、7日間の導入期間と14日間の投票期間を経たうえで、総ステーク量の51%が投票に参加し、そのうち66.7%の賛成を得る必要がある。
今回の提案では、すべてのONE残高がネットワークの最終ブロック時点で記録され、同じアドレスに対してイーサリアム上の新しいERC-20トークンがエアドロップされる。スナップショットの対象には、ウォレット、ステーキング委任、バリデーター報酬、スマートコントラクト、中央集権型取引所が含まれる。ユーザー側で請求手続きを行う必要はないという。
一方で、ハーモニーはマルチシグセーフ、流動性プール、オンチェーンアプリケーションについては移行できないとしている。そのため、ユーザーに対し9月10日までにすべてのスマートコントラクトから資産を引き揚げるよう求めた。バリデーターは同日からノード停止を開始できる。期限内に停止し、ステークを維持し、ガバナーとしての役割を引き受けるバリデーターに対しては、補償原資として137万2000ドル(約2億1100万円)が用意される。
この提案が出たのは、偽造されたONEトークンが作成されるエクスプロイトが発生してから4週間も経たないタイミングだ。ハーモニーはこの問題を受け、10万9000件超の取引を無効化するロールバックを計画していた。ネットワークを修復するのではなく、独立したブロックチェーンとしての存続そのものを断念する方向へ傾いた格好だ。
ハーモニーは8月12日、攻撃者が約40億ONEを不正に発行したとの報告を受け、ロールバックを検討していると明らかにした。この数量は供給量の約26%に相当する。外部アカウントは、このうち約28億ONEが取引所に到達したと主張したが、当時ハーモニーはその数字を確認していなかった。
その後、ハーモニーは8月17日、ブロックチェーンを8月11日のチェックポイントまで巻き戻す計画を示した。これにより、通常取引10万9126件とステーキング取引315件が破棄される見通しだった。ハーモニーによれば、調査担当者は偽造トークンのほぼすべてをウォレットまたはサービス境界まで追跡しており、取引所、ブリッジ、法執行機関と連携して対応を進めているという。

