
AAVEは1年で2倍超になる?グレースケールがDeFi暗号資産を「株式のように評価」
グレースケールとコインシェアーズは、収益を生むDeFiプロトコルに機関投資家の関心が向かうなか、暗号資産に伝統金融の評価手法を持ち込み始めている。

Aave(アーベ)のネイティブ暗号資産は、1年後の基本シナリオで175ドル(約2万8200円)に達する可能性がある――。資産運用会社グレースケール・リサーチが新たなレポートでそう指摘した。背景にあるのは、分散型金融(DeFi)トークンに対して、従来の金融で使われてきた企業価値評価モデルを当てはめようとする動きだ。
デジタル資産運用会社であるグレースケールは、Aaveが2026年に約6000万ドル(約97億円)の純利益を生み出す可能性があるとし、AAVEトークンの現在の適正価値を80〜100ドル(約1万2900〜1万6100円)と見積もった。
同社の分析では、割引キャッシュフロー、利益倍率、銀行やフィンテック企業との比較といった、株式市場ではおなじみの手法が使われている。コインゲッコーによれば、AAVEは木曜日時点で75ドル(約1万2100円)で取引されていた。
グレースケールによると、Aaveの収益は2023年から2025年にかけて6倍以上に拡大した。さらに、プロトコルは推定50%の利益率で運営されているという。同社は、Aaveのレンディング事業、GHOステーブルコイン、そして機関投資家向けプロダクトが、今後の利益成長を支える可能性があるとみている。
ただし、プロトコルの収益がそのままトークン価値につながるわけではない。レポートはこう釘を刺す。手数料は流動性提供者に支払われる場合もあれば、運営費に充てられる場合もある。あるいは分散型自律組織(DAO)に留保されることもある。一方で、トークン保有者は一般的に、株主が持つような法的に強制可能な請求権を持たない。
グレースケールの分析は、株式、銀行、フィンテック企業の評価で一般的に用いられる手法をDeFiプロトコルに適用したものだ。これは、一部の暗号資産については、収益や利益が十分に測定可能になっており、伝統的な金融の枠組みで評価できる段階に来ている、という同社の見立てを反映している。

Cumulative DeFi fees. Source: Grayscale Research
コインシェアーズもHYPEとイーサに長期評価モデルを適用
同じようなアプローチを取っているのが、コインシェアーズだ。同社はハイパーリキッドのHYPEトークンとイーサ(ETH)について、プロトコル手数料、買い戻し、その他の経済的要因を使い、長期的な評価モデルを構築している。
コインシェアーズの2031年基本シナリオでは、HYPEの価値を147ドル(約2万3700円)、ETHを4935ドル(約79万5500円)と見積もっている。ただし、ETHの予想価値の大部分はキャッシュフローではなく、担保資産としての役割や通貨的役割に由来するものだ。
コインシェアーズは、ハイパーリキッドについて、トークンレベルで価値が蓄積されるより直接的な例だと説明している。というのも、プロトコル手数料の99%が「アシスタンス・ファンド」を通じてHYPEの買い戻しに使われているためだ。
一方、イーサについては、予想キャッシュフローに、より大きな通貨プレミアムと担保プレミアムを組み合わせる「サム・オブ・ザ・パーツ」方式で評価している。
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グレースケールやコインシェアーズによるこうした評価作業は、一部の金融機関がDeFi市場のさらなる成長を予想する中で進んでいる。
スタンダードチャータードは、トークン化資産の拡大により、DeFi資産が2030年までに2兆7000億ドル(約435兆円)に達する可能性があると予測している。同行は、ユニスワップがトークン化市場の主要な取引基盤になる位置にあると指摘。さらに、伝統金融との提携がユニスワップへの取引流入を後押しする可能性があるとしている。

