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Martin YoungライターFelix Ng監修編集者

「暗号資産を出せ」フランスで誘拐・恐喝77件 富裕層を狙う“レンチ攻撃”の恐怖

最新ニュース公開日2026年7月3日

フランスのロラン・ニュネス内相は、暗号資産業界を襲う暴力犯罪の急増を受け、安全対策を強化する「より野心的な」3本柱の計画を約束した。

フランスのロラン・ニュネス内相は、暗号資産を狙った身代金目的の襲撃事件に対し、「より野心的な」対策を講じると表明した。2026年上半期だけで、暗号資産に関連した誘拐、恐喝、または恐喝未遂が77件確認されたためだ。

地元メディアのBFMビジネスによると、ニュネス氏は火曜日、今年これまでに記録された77件という数字について、2025年通年の45件から急増していると説明した。

ニュネス氏は、デジタル資産発展協会(ADAN)に対し、「これは深刻な問題であり、皆さんの懸念はもっともだ」と述べ、政府としてさらなる支援を約束した

フランスは、いわゆる「レンチ攻撃」の最大のホットスポットの一つとなっている。レンチ攻撃とは、犯罪者が物理的な暴力や脅迫によって、被害者に暗号資産を引き渡させる手口を指す。ADANによれば、フランス人のおよそ11%が暗号資産を保有しており、その数は約730万人に相当する

フランスの緊急通報・保護システム

フランス当局は今年初め、暗号資産の保有者や業界関係者向けに、専用の予防プラットフォームと、緊急通報・保護システムを立ち上げた。ニュネス氏によれば、これまでに724人が登録している。

同氏は、こうした緊急措置によって200人の逮捕につながったと説明した。直近では金曜日、被害者が緊急身元確認ホットラインを利用したこともあり、襲撃犯の一人が8時間以内に逮捕されたという。

ニュネス氏は、暗号資産業界の安全対策を強化するため、3本柱からなる「より野心的な」計画を約束した。犯罪ネットワークの多くが国外に拠点を置いていることから、情報共有の強化が柱の一つとなる。さらに、ADANとの連携深化、そして治安機関同士の実務面での連携強化も進める方針だ。

フランスで増えるレンチ攻撃

ブロックチェーンセキュリティ企業サーティックは5月、2026年1月から4月までの世界のレンチ攻撃件数が、前年同期比で41%増加したと報告した。攻撃の多くは欧州で発生している。

サーティックは、フランスが攻撃の「震源地」になっていると指摘する。その理由として、同国に有力な業界企業やその幹部が複数存在すること、コミュニティ内にいまだ根深く残る「見せびらかし」や自発的な個人情報公開の文化、そして過去に多数の機微情報が流出していることを挙げた。

フランスのハードウェアウォレットメーカー、レジャーの共同創業者であるデヴィッド・バラン氏は2025年1月、パートナーとともに誘拐され、身代金を要求された。その後、警察によって救出されている。

レジャーは2020年、業界でも最も深刻なデータ流出の一つを経験した。顧客データベースがハッキングされ、27万件を超える個人記録が流出したのである。その後、フィッシング攻撃やレンチ攻撃の波が広がり、その影響はいまなお続いている。

サーティックは、「フランスは、この種の侵害において世界で最も標的にされている国の一つだ」と指摘している。

暗号資産をめぐる犯罪は、もはや画面の中だけで完結しない。秘密鍵を狙う攻撃は、キーボードから玄関先へと場所を移しつつある。フランス政府が動かざるを得なくなった背景には、そうした生々しい現実がある。

Europe is becoming a hotbed for wrench attacks in 2026. Source: CertiK

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